製薬会社の「龍角散」が販売している「龍角散ののどすっきり飴」が、今年に入っても品薄の状態が続いている。
同社は「中国のゼロコロナ政策の転換による日本での買い占め現象などから、通年では考えられないほどの急激な需要拡大が起きている」と説明。
中国の会員制交流サイト(SNS)では龍角散を「奇跡の薬」と評する声もあるなど人気が高いが、のど飴は医薬品ではないことから、
同社では「(のど飴は)あくまでも食品であり、新型コロナの予防などに効果を発揮するものではない」としている。

【写真】薬局では解熱剤や風邪薬の買い占め対策をしている

■「日本で大量に購入して中国に送る方が増えた」と分析

「龍角散ののどすっきり飴」シリーズは平成23年の販売開始以来、13種類を販売。
のど飴市場のシェアで25%を占めるなど8年連続でトップを誇り、同社の人気商品の一つとして知られる。

同社によると、のど飴の需要が増える冬場に備えて夏に在庫を確保しておくはずが、
「新型コロナウイルスの第7波を迎えた昨夏が例年にないほどの売れ行きとなり、(在庫の確保が)まったくできなかった」という。

同社では昨夏の時点で増産に取り組んでおり、冬場の需要を乗り越えられると予測していたが、昨年12月に突如発表された中国のゼロコロナ対策の緩和により状況が一変。
「中国国内でも自分自身で症状に対処する必要が高まり、現地で販売している当社製品があっという間に欠品となった」(同社)としている。
また、同社では「『龍角散』『龍角散ダイレクト』『龍角散ののどすっきり飴』を日本で大量に購入して中国に送る方が増えた」と分析する。

同社の公式サイトでは今月10日、「『龍角散ののどすっきり飴シリーズ』品薄のお詫びとお知らせ」と題して、品薄が続いている現状を報告。
「お客様ならびにお取引先様には多大なるご迷惑をお掛けいたしますこと、心より深くお詫び申し上げます」と謝罪した。

■「品薄解消のめどは立っていない」

中国の短文投稿サイト「微博」(ウェイボ)では龍角散について、「中国では奇跡の薬と呼ばれている」と紹介する投稿もあるなど人気が高い。
のど飴をめぐっては、コロナ禍以前にも偽物の商品が中国国内で流通したことから、龍角散では注意喚起したことがある。

同社は産経新聞の取材に「弊社ののど飴はあくまでも食品であり、コロナを予防することはもちろん、コロナの症状として出るのどの痛みに効果を発揮するものではない」とした上で、
「ただ、のどによいとされるハーブを配合しており、舐めることによってのどがすっきりするという声は、日本のご愛用者から頂戴している」という。

今後の見通しについて、同社は「現在のところ品薄解消のめどは立っていないが、医薬品、のど飴ともに増産に取り組んでいる。
少しでも早く皆さまのお手元に安定して商品をお届けしたい」としている。(浅野英介)

2/21(火) 15:40配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/03850fd474945a524fa31f08b4d8c70464834056