韓国の貿易収支が約25年ぶりに12カ月連続赤字に陥った。半導体と対中輸出の不振で韓国経済を支える輸出が5カ月連続で減少しており、危機感が高まっている。

 産業通商資源部と関税庁は1日、韓国の2月の貿易収支が53億ドルの赤字だったとした。昨年3月以来赤字が続いている。貿易赤字が12カ月以上続いたのは、1995年1月から1997年5月までの期間以来25年9カ月ぶりだ。

 輸出減少は金額ベースで輸出の約10%を占める半導体と20%を占める対中輸出が不振から脱却できていないためだ。半導体輸出の60%を占めるDRAM、NAND型フラッシュメモリーなどメモリー半導体は需要低迷で価格が下落し、半導体在庫が増えている。2月の半導体輸出は前年同月比で42.5%減少し、7カ月連続のマイナスとなった。対中輸出は24.2%減少し、昨年6月以降9カ月連続の減少だった。対中貿易赤字は11億3800万ドルで、昨年10月以来5カ月連続の赤字だ。

 2月の輸出は前年同月比7.5%減の501億ドルで、5カ月連続の減少となった。コロナで世界経済が大きな打撃を受けた2020年3-8月以来のことだ。1月には減少傾向を示した輸入が2月は3.6%増え、貿易収支をさらに悪化させた。冬場の暖房需要でガスの輸入が70%以上増えるなど、エネルギー輸入額が2桁台の増加を示した。結局、1月と2月で179億5600万ドルの貿易赤字を記録した。過去最大だった昨年の貿易赤字(477億8500万ドル)の38%に達する。

 輸出減少で貿易赤字が続き、低成長が定着しかねないとの懸念も示されている。昨年の韓国の経済成長率は2.6%で、経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均(2.9%)を0.3ポイント下回った。2021年もOECD平均(5.7%)を下回る4.1%の成長にとどまった。経済成長率が2年連続でOECD平均に及ばなかったのは、1996年のOECD加盟以来初めてだ。

 2021年に韓国の成長率が相対的に低かったのは、2020年にコロナの影響で他のOECD加盟国の平均成長率がマイナス4.4%まで落ち込んだ際、韓国がマイナス0.7%と善戦したことが反映された側面がある。しかし、昨年は大きな危機もない状態でOECD平均を下回った。今年は成長率がさらに低下し、「低成長定着元年になり得る」(大韓商工会議所による専門家調査)との見方が出るほどだ。韓国銀行は2月の「経済見通し」で今年の韓国経済の成長率予測を1.7%から1.6%に引き下げた。国際通貨基金(IMF)は1月の「世界経済見通し」で、韓国の成長率を1.7%と予測し、長期低成長に陥った日本(1.8%)を下回るとした。

 現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は「輸出不振で景気低迷の長期化が現実化する恐れがある。企業投資が増えるように金利の不確実性を抑え、輸出を支援するための政策的な後押しが急がれる」と話した。

金成謨(キム・ソンモ)記者、鄭錫愚(チョン・ソクウ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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