「撤回しろ、撤回しろ、撤回しろ」

韓国で相次いだ反発の声。市民団体による抗議集会が、首都ソウルと南部・光州で行われました。

批判されたのは、韓国政府がきょう発表した「徴用工問題」の解決策です。

原告 梁錦徳さん
「言語道断です」

日韓にとって最大の懸案は決着となるのでしょうか?

韓国 朴振外相
「韓日両国の反目と葛藤を乗り越え、未来へつながる新しい機会になることを願います。そしてこれが最後の機会だと思います」

日韓関係を一時、「戦後最悪」と言われるほど悪化させた一因となった徴用工問題。

韓国の朴振外相はきょう自ら会見を開き、解決策を発表しました。それによれば、日本企業を相手取った裁判で勝訴が確定している元徴用工の原告に対し、韓国政府傘下の財団が賠償金を支払うことになりました。

一方で、大きな焦点となっていた日本企業も支払いを負担するのかについて朴外相は。

韓国 朴振外相
「財源については民間の自発的な貢献などを通じて調達します」

このように話し、日本企業に直接要求することはしませんでした。

これに対し、一部の原告や野党は、日本側の負担や謝罪がなければ責任を免れさせるものだと強く反発しています。しかし、朴外相は今回の解決策をめぐって、厳しい国際情勢の中で韓国側が「大局的な決断」を下したと強調。国民の理解を求めました。

韓国側の解決策を岸田総理は、こう評価しました。

岸田総理
「日本政府として、この措置を日韓関係を健全な関係に戻すためのものとして評価いたします」

政府関係者によりますと、岸田総理は「日韓双方の世論が大事」との考えを示していて、まずは韓国国内の世論の反発で解決策が覆らないか見極める考えです。

ただ、北朝鮮情勢が厳しい中で、日米韓の間ではなんとしても尹大統領とその提案を守り抜きたいという意向も見え隠れします。

政府関係者
「徴用工問題は尹大統領の間でないと解決できない」

こうした中、政府は、韓国向け半導体材料などの輸出管理を厳格化した措置について、解除に向けて日韓で協議を速やかに行っていくと発表しました。

日本政府は、▼今月後半にも尹大統領が来日する形で首脳会談を行うことや、▼5月のG7広島サミットに尹大統領を招待することも検討していて、両国関係が一気に改善に向かう可能性も出てきそうです。

3/6(月) 19:18 TBS NEWS DIG Powered by JNN
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