【ソウル聯合ニュース】韓国大統領室の高官は6日、韓日間の最大の懸案である徴用被害者への賠償問題を巡って韓国政府が解決策を正式に発表したことについて、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の努力を強調した。まず韓国が解決策を発表し、日本が呼応する形を取ったことについては、「韓国がこれまで6か月以上日本と協議してきた解決策について、両国政府の公式ラインによる協議が終わったと結論が出たため」とし、「日本政府ができる最後の限界値に達したと考えたため、両国政府がそれぞれ立場を発表した」と説明した。

 この日、韓国政府は政府傘下の財団が日本の被告企業の賠償を肩代わりする韓国主導の解決策を正式に発表した。同高官は記者団に対し、日本側の同問題を巡るスタンスについて、2018年の韓国大法院(最高裁)の判決が国際法や1965年の韓日請求権協定に反するものであり、韓国が合意を破ったという結論を出していたとし、「(日本の被告企業が賠償に加わることは)死んでもできないというのが最初から日本の立場だった」と説明した。

 そのうえで、昨年5月に尹政権が発足してから日本の態度や印象が変わり始めたとし、「韓国政府がなにか代案を用意すれば聞く、できる案を協議してみると立場を柔軟に変えたためここまで来た」と強調した。 

 そのうえで、韓国政府は協議を通じて日本政府ができる最大限のものを引き出すことができたという判断から解決策の発表に至ったとみられる。

 同高官は旧日本軍の慰安婦問題を巡る2015年の韓日合意を振り返り、「きょうの発表内容も今後の(韓国の)政権がどのように覆すのかと日本が心配するのは当然だ」とし「われわれの履行過程、被害者の反応、政界の対処によりわれわれが引き続き日本を説得し、引っ張っていける動力作りが重要だ」と指摘した。

 今月中に日本で韓日首脳会談が開かれる可能性については、「まだ議論を始めていない」としながらも、両国首脳のシャトル外交が中断してから12年目になることを両国政府が認識しており、今後協議が行われる可能性は残っていると説明した。

 韓日首脳のシャトル外交は2011年10月に当時の野田佳彦首相がソウルを、同年12月に李明博(イ・ミョンバク)大統領(当時)が日本を訪問したのを最後に、途絶えている。

 同関係者は、「尹大統領と岸田文雄首相がこの日、電話で話す計画はまだない」と明らかにした。

聯合ニュース 2023.03.06 19:35
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20230306006000882