カナダが激震に見舞われている。2019年と21年に行われた同国の総選挙に、中国・習近平政権が介入しようとしたという疑惑が連日、報じられているのだ。
ジャスティン・トルドー首相は6日、疑惑の解明を担当する特別調査官を任命する意向を表明した。
隣国の米国では、大統領選や中間選挙で、中国やロシアが影響を行使しようとした疑いが持ち上がり、米政権幹部が警告を発してきた。
選挙は民主主義の根幹であり、悪意を持った他国の介入は決して許されない。
他国による諜報活動に鈍感な日本は大丈夫なのか。識者は、水面下で行われている恐れがあるとして警戒を呼び掛ける。

「カナダ国民として私たちの、まさに中核に対する攻撃だ」「私は独立した特別調査官を任命する予定だ。この調査官は幅広い権限を持ち、
介入に対抗してわれわれの民主主義を強化するための、専門的な勧告を行う」

英BBCによると、トルドー氏は6日、首都オタワの国会議事堂で記者団にこう話した。さらに、安全保障問題を扱う議会の委員会などに調査を依頼したことも明かした。

ー中略ー

米国の同盟国であり、国内各地に在日米軍基地がある日本も決して人ごとではない。

公安関係者は「日本の政官財界にも、当然のように外国の『勢力』が浸透している。それがどのような形で影響を及ぼすか注視する必要がある」と警鐘を鳴らす。

中国で2010年に施行された国防動員法は、戦時に在外の一般国民が政府の指示に従うよう義務付けた。
この義務は17年施行の国家情報法で強化され、平時でも国家の情報収集活動に協力するよう定められた。

情報関係者は「中国の一般国民でも、国家の指令があれば選挙介入の動員にも従わざるを得ない。さまざま日常の場面にも、工作のリスクはある」と指摘する。

中国に詳しい評論家の石平氏は「カナダで選挙介入がなされていたとすれば、より中国に利害のある日本は、その倍以上の介入があると用心すべきだ。
在日中国人に選挙権はないものの、在日中国人ネットワークと、個別に付き合いのある日本の有権者に影響を与えることも可能だ。
中国企業がビジネス上の便宜を図る見返りに日本企業を通じて特定の政治家や候補の支援をすることもできる」と話す。

日本の警戒が必要といえるが、他国のスパイ活動を取り締まる法律が存在しないことが、摘発の壁となっている。

警察関係者は「諜報活動や有害工作そのものを取り締まる『スパイ防止法』がない。選挙介入の意図や兆候が把握できても、
具体的な法令違反がなければ阻止は困難ではないか」と警鐘を鳴らした。

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2023.3/9 15:30
https://www.zakzak.co.jp/article/20230309-UPXUNEIRJNOX7GRYIDQTKBT5EU/