「だから見るべき物がない」というのに……という話です。

韓国政府は経常収支が赤転すること、また経常収支の赤字傾向が続くことを非常に恐れています。

韓国は、貿易収支の赤字 ⇒ 経常収支の赤字 ⇒ 外国から資金調達 ⇒ 借金を償還できない――というルートでドボン騒動を起こします。

ですから、かつてドボン騒動を起こした道を今またたどりつつあるといえるのです。

そもそも貿易収支の赤字が原因なので、尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領、また企画財政部は「輸出を増やせー!」と必死になっているわけですが、そんな簡単に事は運びません。

Money1でもしつこくご紹介しているとおり、世界的IT不況で半導体輸出が回復せず、これまで散々もうけてきた中国貿易は今年から赤字になりそうです。

半導体と中国輸出の帆柱が折れてしまったような状態ですから、韓国丸は沖の間に間にただ漂うといったことになっています。

半導体と中国の代わりになるものがありません。

尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領は「原発と防衛産業を抱き合わせで輸出だ」と号令をかけたのですが、原発も武器のそんなにホイホイ輸出が決まるものではありません。

仕方がないので、秋慶鎬(チュ・ギョンホ)副首相兼企画財政部長官が「K-ライフスタイルが世界に広がり輸出が増えるぞ」などと唱えています。

その増える物というのが、Kコンテンツや化粧品などですから呆れるばかりです。

このままではまずいので、韓国政府は奇策を繰り出しました。

2023年03月29日、韓国政府は急遽「今年の訪韓外国人を1,000万人にする!」という目標を発表しました。

国内向けには600億ウォンを使って、国内旅行を増やすとしました。補助金を出して旅行需要を喚起し、お金を回すつもりです。なんのことはない「GoToトラベル」のマネです。

面白いのは外国向けの措置で、以下のことを実施します。

・入国拒否率が低いアメリカ合衆国・日本・香港・台湾など22カ国を対象に、ビザなしで入国しようとする外国人が個人情報を事前に登録するK-ETA(電子渡航許可)制度を来年まで一時的に免除する。
(K-ETAの有効期間を現行の2年から3年に延長)
・新型コロナウイルスの拡大で中止された「乗り継ぎビザ免除制度」を復活。これによって、欧州・合衆国など34カ国の入国ビザ保有者は、韓国で乗り継ぎする際、地域制限なしに最大30日間の滞在が可能になります。

なぜこんなことをするかというと、理由は簡単です。

とにかく外国人観光客を増やさないと旅行収支が大赤字になって、経常収支の赤字が進むからです。

読者の皆さんもご存じのとおり、現在韓国では日本旅行ブームが起こっています。コロナ禍で人の移動が制限された反動が来たのです。

韓国人が外国でお金を落とせば落とすほど資金流出が進行します。韓国に外国人観光客を誘致して、お金を落とさせないと、収支が赤字に傾くばかりになります。

そのために、ノービザ措置などを急遽発表したわけです。無理にでもなんでも収支を戻す努力をしないといけません。

文字どおり、韓国必死だな――なのです。

しかし、冒頭に書いたとおり、そもそも韓国という国は見るべきものがありません。また、韓国には日本のように地方ごとの特色ある食べ物、文化、観光地がほとんどありません。

このような付け焼き刃な措置をしても――もちろん多少は影響するでしょうが――それで韓国政府が望むような結果が得られるでしょうか。やらないよりはやった方がいいとは思われますが……。

(吉田ハンチング@dcp)
https://money1.jp/archives/102831