福島汚染水論争、共に民主党の主張をファクトチェック

韓国野党・共に民主党の「福島汚染水放出阻止対応団」は4日、声明を発表し、日本政府と東京電力が汚染水放出のための海底トンネルが完成する今年上半期から現在130万トンある福島原発の汚染水を30年間にわたって放出する予定だとした上で、汚染水が早ければ7カ月、遅くとも2年後に韓国の済州海域に流入し、海洋生態系と水産業に大きな被害を与えると予想されると主張した。

共に民主党は「汚染水放出前の現時点でも福島沖では日本政府の基準値を14倍超えるクロソイが捕まっている」とし「本格的に放出すれば、韓国国民の食の安全が保障されるかどうか懸念される」とした。

対応団は「尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権が国会に報告した2023年の主要業務計画は福島原発汚染水対応計画が非常に不十分だ」とも主張した。対応団は関係省庁が対応計画を立てていないとも指摘した。

また、「多くの国際法専門家が国際海洋法上の暫定措置条項を活用し、放出を阻止させられると提案している」とし、韓国政府は独自に安全性の検証に乗り出すべきだと主張した。

対応団は「現場検証を含め、日本で直接生のデータを確保し、安全性が確保されない限り、放出を阻止する全ての方法を講じるべきだ」と述べた。 

こうした共に民主党の主張は正しいのか、政府系研究所と原子力専門家に尋ね、チェックしてみた。

1. 汚染水は早ければ7ヵ月で済州海域に流入?

一部は正しく、一部は間違っている。日本から放出された汚染水は海流に沿って太平洋を大きく回り、韓国に流入する。この過程で微量の汚染水が海流から外れ、韓国近隣海域に早く流入することもありうる。

海洋科学技術院と原子力研究院は2月、低レベル放射能物質であるトリチウム(三重水素)の拡散シミュレーション結果を発表した。セシウムのような放射能物質とは異なり、三重水素は東京電力の汚染水浄化施設(ALPS)でろ過されないため、日本政府はトリチウムを大量の海水で希釈して放流する計画だ。

シミュレーションの結果、2年後に1平方メートル当たり0.0001ベクレルが流入し始める。4-5年たつと本格流入が進み、10年後には同0.001ベクレル前後になる。これは韓国海域のトリチウムの平均濃度の10万分の1だ。中国のシミュレーションでも似たような結果が出た。海洋科学技術院は「検出されないほど無意味なレベルだ」と話した。

2023/04/05 09:44
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