外国人収容を厳格化する入管難民法改正案を衆院法務委員会が可決した。二年前に廃案となった法案の焼き直しだ。反対論=写真は国会前で採決に反対する人たち=のうねりを直視し、改正案の成立を急がず、同法を抜本的に見直すべきである。
 在留資格がなく、帰国を拒んで長期収容されている外国人を減らすために、桁違いに認定率が低い日本の難民認定の門戸を広げるのか、強引に帰国を迫るのか。改正案の狙いは後者にある。
 日本も加盟する難民条約は難民申請中の送還を禁じており、申請回数にも制限は設けていない。
 しかし、改正案は申請回数を原則二回までに事実上絞る規定を導入する。本来、難民と認められるべき人びとの命まで危険にさらすことにならないか。二〇〇五?二一年に二回目以降の難民申請が認められた人は四十七人に上る。三月には、入管局が不認定と判断した同性愛者のウガンダ人女性を大阪地裁が難民と認めた。
 そもそも取り締まり機関である入管が難民保護の認否を公平に判断できるのか。与野党の修正協議で立憲民主党は難民認定審査を担う第三者機関の設置を求めたが、与党側は付則への「設置検討」明記までしか譲らず協議は決裂。付則への明記も結局見送られた。
 難民認定審査は問題の核心である。委員会でさらに議論を深めるべきではなかったか。
 与党は立民の要求を踏まえ、日本で生まれ育ちながら在留資格のない子どもへの在留特別許可の検討を提案したが、立民の改正案反対で撤回した。人道上認められるべき在留許可を、法案成立の取引材料にすべきではなかった。
 改正案は収容への司法関与や収容期間制限にも触れていない。
 長期収容に抗議したナイジェリア人男性のハンスト死や適切な医療を怠ったスリランカ人女性の死亡事故を受けて、人権重視の入管への改革を求める声が広がる。
 国連人権理事会の特別報告者らは四月、改正案を国際人権基準に満たないと勧告した。日本の入管難民政策に対する国際社会の厳しい目も忘れてはならない。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/247486

前スレ
【東京新聞社説】入管法改正案 反対論のうねりを見よ [5/2] [昆虫図鑑★]
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/news4plus/1683013523/