日米韓3か国は、北朝鮮の弾道ミサイルを探知・追尾する日韓両国のレーダーシステムを米国経由で連結し、ミサイル関連情報を3か国で即時共有する方針を固めた。日本の迎撃能力強化につながる取り組みとなる。6月初旬にシンガポールで開催予定の日米韓防衛相会談で大筋合意する段取りで、早期の運用開始を目指す。

複数の日米韓政府関係者が明らかにした。3か国は昨年11月の首脳会談で、北朝鮮のミサイル関連情報を「リアルタイム(即時)で共有する意図」を確認し、具体策の議論に入っていた。岸田首相が今月7~8日に訪韓するなど、日韓関係が改善したことも追い風となり、大筋合意の道筋がついた。19~21日に広島市で開催する先進7か国首脳会議(G7サミット)にあわせて実施する日米韓首脳会談で調整状況を最終確認する方針だ。

 具体策は、自衛隊と在日米軍、韓国軍と在韓米軍がそれぞれ使用するレーダーなどの「指揮統制システム」を、米インド太平洋軍司令部(米ハワイ州)を通じて接続し、日米韓が情報を即時共有する仕組みだ。同盟関係にない日韓のシステムを直接つなぐのは困難なため、双方の同盟国である米国経由が最適と判断した。

 法的な枠組みとしては、2014年締結の「日米韓情報共有に関する防衛当局間取り決め(TISA)」を活用する方向だ。

 実現すれば、イージス艦や地上のレーダーで探知・追尾したミサイルの航跡を、日韓が瞬時に共有しながら部隊運用に生かせるようになり、北朝鮮への対処力・抑止力の向上が見込まれる。

 日本の弾道ミサイル防衛(BMD)や全国瞬時警報システム(Jアラート)は、北朝鮮のミサイルをいかに速く探知・追尾できるかが成否のカギを握るが、日本単独では限界がある。

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読売新聞 2023/05/09 05:00
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20230509-OYT1T50015/
https://www.yomiuri.co.jp/media/2023/05/20230509-OYT1I50007-1.jpg