G7広島サミットが効いたのでしょう。2023年05月23日、中国共産党の英語版御用新聞『Global Times』がさっそく日本を脅迫する記事を出しています。

以下に記事の一部を引用します。

広島サミットでG7諸国が中国に対して「デカップリングではなくデリスク」で足並みを揃えたことで、一部の欧米メディアは、日本がこの新しい展開の下で受益者になるように見えると主張している。

しかし、問題は、日本が中国からの「デカップリング」のために何を支払うかである。

(中略)

今年のG7サミットの輪番議長国である日本は、関係各国と連携して、中国との関係において「デリスク」アプローチを積極的に呼びかけた。

G7サミットの共同コミュニケでは、G7首脳は「デカップリングや内向き志向」ではないとしながらも、中国からの「脱リスクと多様化」の必要性を認識した。

では、日本はそこから何を得るのだろうか。

根本的には、いわゆるデリスクとは、部分的な “デカップリング “の別称である。

G7が、中国の発展に資すると考えられる半導体などの主要分野や技術を制限し、「デカップリング」することはほぼ間違いない。
(後略)

⇒参照・引用元:『Global Times』「GT Voice: What price will Japan pay to seek ‘decoupling’ from China?」
https://www.globaltimes.cn/page/202305/1291159.shtml

G7が中国からのデリスクで合意したが、デリスクなどという言い方をしているものの「本質的にデカップリングと同じだ」と述べています。

全くそのとおりで、御用新聞がG7の意図をきちんと理解しています。

しかし、そんなことをして日本のためになるのか――というのが御用新聞の主張であり、言いたいことです。それは記事の最後に表れています。

記事の結びの部分を以下に引用します。

(前略)
中国の発展を封じ込めるために合衆国に味方する日本の調整を、中国が受け身で受け入れることはあり得ない。

しかも、数十年にわたる工業化発展で、中国は多くの分野で日本に追いつき、あるいは追い越しつつある。

例えば、電気機械では、日本の対中貿易収支は2004年に黒字から赤字に転じた。

家電製品では、日本はずっと対中貿易赤字を維持している。

これは、日本が技術サービスを米国企業に依存する一方で、ハードウエアの供給を中国企業に依存していることを示している。

このような状況下で、中国の対日経済・貿易政策に変化があれば、日本経済は大きな打撃を受ける可能性がある。

⇒参照・引用元:『Global Times』「GT Voice: What price will Japan pay to seek ‘decoupling’ from China?」
https://www.globaltimes.cn/page/202305/1291159.shtml

言いたいことは、最後にあります。

「日本が中国を圧迫する合衆国の味方をしてデリスクを進めるなら、中国は対日経済・貿易政策を変更して日本経済に打撃を与えるぞ」です。

つまり脅迫です。

Money1 2023.05.23
https://money1.jp/archives/105988