<「文革2.0」に入ったとされる中国は、社会を風刺するコメディアンにとっては冬の時代。生き抜くには、常に権力者の意思を臆測する「特殊能力」が求められる>

《前略》

先日、北京で行われた「脱口秀(トークショー、スタンダップコメディー)」の現場で、人気コメディアンのHOUSE(本名・李昊石〔リー・ハオシー〕)が「作风优良 能打胜仗(仕事ぶりが素晴らしく 戦えば勝利する)」という人民解放軍を評した習近平国家主席の言葉を使い、野良犬の勇猛さを褒めた。

観客の一部が抗議し、SNSで批判が広がると、中国政府はHOUSEが所属する会社に1335万人民元(約2億6000万円)の罰金を科し、人民日報などあらゆる官製メディアが「絶対許せない」と非難の大合唱を始めた。

HOUSEはすぐに謝罪したものの警察は捜査を開始。
最長で懲役3年を科される可能性がある。

たった一言で大げさに騒ぐのは、空気が読めないトークショー業界への一罰百戒の意味だろう。

経済最優先の鄧小平時代に軍は大した存在でなかったが、習近平時代になって経済より国防やイデオロギー、忠誠心が重要視されるようになった。

台湾統一には軍の力が不可欠で、その地位の向上は避けられない。
軍人の士気を高めるため、軍に対する不敬な発言や振る舞いは厳しく取り締まられている。

例えば、軍に関して「炮灰(バオホイ、強制的に招集され死んだ兵士)」という軽蔑の言葉をネットに投稿するとすぐに警察に連行される。

HOUSEはおしゃべり上手だが、政治的な空気を読むのが下手で「地雷」を踏んだ。
そもそも政治や社会の皮肉を笑いにするトークショーは民主社会の娯楽文化であり、独裁政権の国には不向きだ。

かつて文化大革命の時代、全ての中国人は政府が指定した8つの革命模範劇しか見ることができなかった。

「文革2.0」に入ったとされる中国で、また同じことが起きても全く不思議ではない。
独裁政権の社会を生き抜くため、常に権力者の意思をあれこれ臆測する──中国を含めた「独裁国家の特徴ある空気の読み方」である。

《後略》

全文はソース元でご覧ください
「地雷」だらけ...日本人よりも「空気を読む」ようになった中国人
Newsweek|2023年06月04日(日)16時50分
https://www.newsweekjapan.jp/satire_china/2023/06/post-99_1.php

※関連ソース
軍のスローガンをネタにしたお笑い芸人、所属会社に2億円超の罰金 中国
CNN|2023.05.18 Thu posted at 18:00 JST
https://www.cnn.co.jp/showbiz/35203998.html

※関連スレ(dat落ち)
【中国】軍のスローガンをネタにしたお笑い芸人、所属会社に2億円超の罰金[5/19] [すりみ★]
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/news4plus/1684431956/