韓国軍艦艇による海上自衛隊機への火器管制レーダー照射問題について、海自トップの酒井良海上幕僚長は6日の定例記者会見で「事実関係を追及するよりも、今後の連携体制を早期に確立することが重要だ」と話した。事実関係の解明を実質的に棚上げしたまま、再発防止策の協議を進める方針で一致した日韓防衛相会談を受けたもので、この方針に従う考えを示した。

レーダー照射問題で、韓国側は事実を否定。海自は「信頼関係が損なわれた」として2国間の共同訓練などを中止している。4日の浜田靖一防衛相と李鐘燮国防相の会談では、北朝鮮対応などでの連携を深めることを優先し、実務者間で再発防止策などの協議を進める方針が確認された。
 
酒井海幕長は「再発防止策を促進し、日米韓で地域の安定に貢献することが大切。時間という要素は大きく、早期の連携確立が国益に合致する」と強調。再発防止策として「同じ海域で両国の艦艇や航空機が活動する際に、双方が安心して作戦行動ができる体制構築」を求めた。

時事通信 2023年06月06日17時24分
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