「野菜を切り、皿洗いをし、ホールを清掃し…一日18時間くらい働いているが、7万ウォン(約7500円)程度しか残らない。いっそのこと日当14万ウォンもらえる工事現場に行こかと思っている」。

5日午前4時30分。水原市霊通区(スウォンシ・ヨントング)で飲み屋を経営するキム・ヨンミンさん(46)は少しなげやりな態度で閉店しようとした。明け方まで働いたが「今日も」絶望だった。キムさんは「『今日も頑張って働いた』というより『今日も苦労しただけ』という思いになる」とし「公共料金、原材料価格、最低賃金が次々と上がり、借金も早く返さなければいけない」と言ってため息をついた。今年、子どもが中学校に進学し、塾代も心配だ。午前5時前、酒に酔た客3人が店に入ってきた。「何時まで営業しますか」という言葉にキムさんは一瞬悩んだが、「6時までです」と答えた。

新型コロナ拡大で危機に追い込まれた自営業者は今でも厳しい状況から抜け出せていない。キムさんの言葉のように自営業者の前には悪材料が並んでいる。ボクシングに例えれば、コーナーに追い込まれてパンチを連続で浴びているところだ。ジャブからアッパー、フックまで多彩なパンチは衝撃が大きい。二重苦、三重苦どころではない。

統計庁によると、4月基準で自営業者数は約571万5000人。ところが生存率はかなり低い。2021年基準で宿泊・飲食店業の1年生存率は65.9%、3年生存率は44.3%、5年生存率は22.8%だ。10店が新しくできれば5年後には2店しか残っていないということだ。

自営業者はどのような困難にぶつかっているのだろうか。中央SUNDAYは自営業者の生活を追った。

◆39万世帯、所得の70%以上を負債の返済に

「営業中ということを知らせる程度だけ明かりをつけている」。1日午後7時、京畿道高陽市徳陽区(コヤンシ・トギャング)の飲食店。経営者のキムさん(51)は照明をつけた。ところが看板はつけず、室内も少し暗かった。キムさんは「電気料金が上がり、できる限り節電している」と話した。

政府は先月16日に電気料金を引き上げた。キロワット時(kWh)あたり8ウォンの引き上げだ。4人世帯基準で月3020ウォンほど増える。しかし電気を多く使用する自営業者が感じる上昇幅ははるかに大きい。

ソウル西大門区(ソデムング)でコンビニを運営している50代のイ・ソンファンさん(仮名)は「今でも月平均100万-150万ウォンほど電気料金を出しているが、冷蔵庫・エアコンの使用が増える夏にはどうなるのか心配」と語った。

徳陽区のキムさんは外が完全に暗くなった午後9時になって店内の照明もつけた。そして厨房のガスレンジに火をつけた。そのガス料金も上がった。

「昨年、ガス料金として月平均70万ウォンほど出ていったが、今年は10万ウォンほど増えそうだ」。京畿道九里市(クリシ)で20坪(約66平方メートル)ほどのサムギョプサル店を経営するシン・イヒョンさん(31)の言葉だ。焼き肉店の中でもサムギョプサルを売る店はガスの使用が多いほうだ。統計庁によると、ガス料金は1月まで前年同月比36.1%も上がった。すでに大きく上がったガス料金は先月16日からまた5%ほど上がり、庶民を困惑させている。

以下全文はソース先で

韓国経済新聞/中央日報日本語版
2023.06.10 12:15

https://s.japanese.joins.com/JArticle/305356
https://s.japanese.joins.com/JArticle/305357