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2023/06/11(日) 14:08:07.77ID:Cq155G9o【ソウル山口卓】LGBTなど性的少数者への理解を促す法案の国会審議が日本で進む中、
韓国でも当事者らが権利擁護を求めて声を上げている。
2月に同性カップルの健康保険上の扶養関係を認める高裁判決が出るなどLGBTへの理解が広がりつつあるが、
法整備は進んでいない。根強い差別意識や一部の宗教上の反発が背景にある。
「異性の事実婚と同性カップルは本質的に同じで、差別することは憲法の平等権に反する」
男性の蘇晟旭(ソソンウク)さんが国民健康保険公団を相手に、
同居する男性パートナー金龍敏(キムヨンミン)さんを健康保険上の被扶養者として認めるよう求めた訴訟の判決。
ソウル高裁は一審を覆し、同性カップルの扶養関係を初めて認めた。
高裁は判決文で、LGBTに対する制度的な差別の存在に言及した上で、
「多数決の原則が支配する社会では、少数者の権利に対する認識とそれを保護するための努力が必要」と異例の意見を付した。
3月に記者会見した金さんは「法体系の中で私たちの地位が認められた。同性パートナーの平等な社会を望むすべての人の勝利だ」と評価。
ただ、判決は2人の事実婚関係は認めておらず、法的には「同居人」だ。遺族年金の受給や緊急手術の同意などができる権利は保障されない。
公団の上告で裁判が続く中、金さんは「異性婚では当然とされる千の権利のうち、一つを得るのに2年かかった。
私たちは2千年も待てない」と語り、LGBTの権利を認める法整備を急ぐよう求めた。
保守派議員の重要な支持層
韓国国会には2007年以降、差別禁止法案が何度も提出されている。
先月31日にも同性カップルに異性婚と同等の権利を与える「生活パートナー法」などが発議されたが、議論の見通しは立っていない。
法整備が進まない要因の一つとして、蘇さんはキリスト教の一部の「保守的で右翼的な勢力」の存在を挙げる。
ソウルキリスト教総連合会元会長の牧師は2月、LGBTで構成するアイドルグループを出演させたテレビ局に
「神の名を汚す行為だ。健康な家庭を乱す犯罪だ」と抗議。
LGBTを支持するフィリップ・ゴールドバーグ駐韓米大使が着任した昨年7月には、
キリスト教系団体が大使館近くで会見を開き「大使任命は米国の同性愛文化帝国主義政策だ」と批判した。
韓国のキリスト教徒は人口の約30%を占める。教会に通う人々は特に保守派議員の重要な支持層とされ、政界への影響力も大きい。
世論調査会社の韓国ギャラップが5月23~25日に実施した世論調査では、
同性婚法制化について賛成40%、反対51%で賛否の差は年々縮まっている。
20~30代では賛成が反対を上回り、家族形態の多様化を受け入れる傾向が強まりつつある。
医療・社会保険が専門の玄斗輪(ヒョンドゥリュン)弁護士は「今回の判決が同性カップルを取り巻く社会保障制度に変化をもたらすことは明らかだ。
時間はかかるだろうが、社会の価値観の変化に伴い、国民年金など他の制度でも権利が保護される動きが広がっていくのではないか」と話した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7ccd07a2b1d56a5e6d4b3f2a03b6347a5c3dfc3d