【06月21日 KOREA WAVE】「娘が一部食べましたが、残ったものでもお返しします。お金がなくて盗みました。すみません」

1人で6歳の娘を育てる韓国京畿道(キョンギド)九里市(クリシ)の40代女性が、「ミニトマトを食べたい」という娘の言葉を聞いて、スーパーから商品を盗み、摘発された。その後、女性は深刻な生活苦にあるという事情が判明し、訓戒放免(罪状が軽微なため、訓戒だけにとどめること。刑事処罰ではなく前科が残らない)となった。

女性は今月初め、スーパーからミニトマトを盗んだ疑いが持たれ、窃盗容疑で現地警察から出頭を求められた。女性は食べ残したミニトマトを持って警察署に姿を現し、「幼い娘がミニトマトを買ってほしいとせがみました。でも、お金がなく、仕方なく盗みました」と供述したという。

女性は最近、離婚し、元夫から十分な養育費を受け取れないまま娘を1人で育てている。仕事も見つからず、賃貸マンションの家賃・管理費も数カ月間滞納し、韓国土地住宅公社(LH)から明け渡しの訴訟を起こされていた。

警察は軽微犯罪審査委員会を開いて意見を聴取した後、女性を訓戒放免とした。

警察からの要請を受け、九里市が面談したところ、女性は相次ぐ苦難により、うつ病と無気力症が深刻化していることが判明した。市は生計費支援など緊急福祉を施すとともに、この女性の就職先を探している。

軽微犯罪審査委のある委員は「子どもが食べ切れなかったミニトマトパックを持って警察署に出頭し、過ちを悔やんでいた母親の事情が不憫だ。関係する機関で支援できる方法を講じている」と伝えた。

KOREA WAVE/AFPBB News 2023年6月21日 7:00
https://www.afpbb.com/articles/-/3469095