中国貿易専門商社の朝陽貿易(本社・東京都千代田区、社長・阿部正行氏)は、アルミコイルの三国間貿易拡大に向け、
日本政策金融公庫の「海外展開・事業再編資金」で6月に10億円を調達した。
3月末にみずほ銀行から取引信用保険を活用した債権流動化で支援を獲得し、これを受けて日本政策金融公庫が融資する協調支援につながった。

 金融機関のサポート拡大で、朝陽貿易はアルミ貿易の売上高を前期の200億円から24年3月期は250億~300億円に伸ばす予定。
 朝陽貿易は鉄鋼や塗料に続く事業の柱として、中国製のアルミを中南米などの製缶メーカーへ輸出する三国間貿易に力を入れている。
前期は全社売上高のうちアルミ貿易が半分近くを占めるまで拡大した。

 一方、アルミは単価が高く、取引先の製缶メーカーとは支払いサイトが長く設定されている。
今後さらに取扱い数量を増やすには金融機関の協力が不可欠になっていた。

 今回の協調支援では、みずほ銀行本郷法人部が保険金を受け取る権利と共に輸出債権を朝陽貿易から買い取るインボイスディスカウントファイナンス(IDF)で
2900万ドル(約40億円)の極度額を設定。
これで朝陽貿易は船積みから1週間程度で債権を現金化でき、運転資本を圧縮した。

 メインバンクの民間金融機関から支援を取り付けたことで、
日本政策金融公庫東京支店中小企業営一事業からは中小企業の海外展開を後押しする制度で10億円の融資が認められた。
飲料用ボトルの素材が世界的にプラスチックからリサイクル可能なアルミにシフトしており、
朝陽貿易が調達するアルミは水力発電から造られSDGsに該当することなどが評価された。

 朝陽貿易の奥野英逸常務取締役は「今回の追加支援で、売掛金を圧縮し短期借入金も削減できる。
CO2排出削減に寄与するアルミ貿易は中南米以外の地域でもチャンスがあり、今後も金融機関のご協力を得ながら伸ばしていきたい」と話している。

6/28(水) 6:04配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/ddd4c1ea99179b29cd910f13126a528309a883e5