国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長は訪問先のソウルで9日午前、東京電力福島第一原子力発電所の「処理水」海洋放出計画に反対する韓国最大野党「共に民主党」の国会議員らと会談した。

 IAEAは日本の計画の妥当性を認める包括報告書を公表しており、グロッシ氏は会談でも「国際的な安全基準に合致する」と強調した。これに対し、同党議員らは処理水を「核廃棄物」と呼んで計画の危険性を主張し、「国際社会とともに代替案を検討することを要請する」などと述べた。

 海洋放出計画を巡っては、韓国政府や与党もIAEAと同様の立場を示しているが、韓国内には心配する声が多い。来年4月の総選挙に向けて攻勢を強める野党が、不安をあおるように根拠の不明確な主張を続けている影響もあるようだ。与党は野党の主張を「非科学的な怪談」と批判している。

 グロッシ氏は報告書について説明するため関係国を訪問中で、9日にニュージーランドへ移動する。

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