広島に投下された原爆で犠牲になった韓国人の慰霊祭が5日、広島市中区の平和記念公園で開かれた。在日本大韓民国民団(民団)広島県地方本部の主催で、今年が54回目。この1年間で亡くなった8人を加えた計2810人の死没者名簿が慰霊碑に納められた。

6月に発足した韓国の在外同胞庁トップ、李基哲庁長が初めて参列。式典の追悼の辞で、「祖国は在日同胞社会の発展のために最善を尽くす。もう恨みと憎悪は手放してください」と、日韓関係改善への思いを述べた。
 
式典には民団中央本部の呂健二団長をはじめ、遺族ら約200人が参列した。黙とうした後、民団広島本部の金基成団長は、5月の先進7カ国首脳会議(G7サミット)で韓国の尹錫悦大統領と岸田文雄首相がそろって慰霊碑を訪れたことに関し、「献花と追悼を行い、固い握手を交わしたことは歴史的な快挙だ」と語った。
 
出席した被爆2世の権俊五さん(74)は李庁長の言葉に、「涙が出るぐらい、在日や被爆者に寄り添ったお言葉をいただけた」と語った。

時事通信 2023年08月05日13時08分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2023080500101&g=soc
https://www.jiji.com/news2/kiji_photos/202308/20230805at31S_p.jpg