共同通信が23日、「日本政府と東京電力が福島第一原子力発電所の汚染水(日本では『処理水』と表記)の海洋放出を早ければ24日午後1時にも開始する方向で調整している」と報道した。東京電力は汚染水の最初の海洋放出に先立ち、22日に汚染水約1トンを希釈設備に送り、海水1200トンと混合した。

一方、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は22日(現地時間)、第4面を全面割き、「日本の海洋放出が韓国を分裂させる(polarizes)」という見出しの記事を掲載、韓国国内の賛否両論と韓日関係を大きく取り上げた。

特に、「(政治的)二極化が激しい韓国で、福島汚染水海洋放出計画の議決は反発を招いている」とし、分裂した国論に注目した。これと共に、「(今回の)論争は隣国間の新たな友情に傷を与えかねない」と報じた。先週の韓米日首脳会議で結束を強めた韓日関係に、汚染水問題が冷水を浴びせかねないと指摘したものだ。

NYTは「福島汚染水の海洋放出は太平洋地域の国々に警戒心を呼び起こしているが、特に韓国では尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権に反対する勢力が横断幕・ユーチューブ動画・記者会見・デモを通じてこの問題を公論化し、政治的論争を引き起こしている」と報じた。

韓国社会では、この論争をめぐり与野党が鋭く対立し、政治的に利用され、汚染水海洋放出の科学的事実とは別の議論が進められている、という指摘だ。

NYTは「韓国では日本に関する議論がしばしば火花を散らし、ソウル中心部ではデモ隊が激しくぶつかり合うこともある」と書いた。また、「韓国政府は記者会見を毎日開き、福島の汚染水は害を及ぼさないと国民を説得している」とも伝えた。

紙面には、日本の汚染水海洋放出に反対する韓国デモ隊の写真も掲載された。

さらに、2008年の「狂牛病(牛海綿状脳症〈BSE〉)問題」や2017年の「終末高高度防衛ミサイル(THAAD)配備」を巡っても国論が分裂し、韓国の全国各地で大規模なデモが発生したとして、「狂牛病デモの時はソウル中心部が数週間マヒするほどだった」とも書いている。

汚染水の海洋放出が韓米日同盟に及ぼす影響についても言及した。

NYTは「政府を批判する人々は『尹大統領は日本との関係改善のために汚染水海洋放出計画に同意した。これは米国の要請によるものだ』と言っている」「韓国で続いている汚染水海洋放出をめぐる賛否は、韓米日がこのほど強化を明言した協力関係の進展を複雑化させる脅威の要因になるかもしれない」と報じた。


2023/08/24 10:00
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