ー前略ー
・韓国人以外のメンバーが果たす役割
 しかし、アイドルたちの情熱的な海外活動は必然的に韓国内での活動に支障をきたし、韓国のファンの間では不満が高まっていく。
その結果、競争の激しい韓国市場で人気を維持することが難しくなるという副作用を招きかねない。

 そのため、「第3世代アイドル」の海外進出の方法は、外国人メンバーを受け入れることで、
現地で活動をしなくても世界各国のファン層を確保する、より効率的なローカライズ戦略に修正された。

 K-POPの海外進出は、まず東アジアで確固たるファンダムを作り、これを土台に米国と欧州に進出する方式だが、
この時、東アジア出身のメンバーたちが現地市場の先取りに大きな役割を果たす。

 第3世代、第4世代のアイドルグループの多くが韓国人の他に日本人、中国人、
タイ人、ベトナム人などのメンバーを受け入れているのもこのためだ。

 日本人メンバーが4人もいるYG所属のボーイズグループ「TREASURE(トレジャー)」は、
韓国や他のどの国よりも日本での認知度と人気が優れている。「TWICE」(JYP)や「LE SSERAFIM」(HYBE)など、
特に日本で人気が高いガールズグループの成功には日本人メンバーの存在が大きく関わっている。

 すでにK-POPカテゴリーを抜け出したと評価されるガールズグループ「BLACKPINK」(YG)は、
タイ人メンバーである「リサ」の存在のおかげで東南アジアで独歩的な地位を構築し得たと言える。

 人口が多く、K-POP人気が格別なタイは、東アジアの中でもエンターテインメント産業が発達した国であり、
アジア進出のハブ的役割を果たしている。
最近のK-POPグループに、日本・中国に次いでタイ出身メンバーが数多く在籍している理由もここにある。

・変化する「K-POPアーティスト」の定義
 2020年前後を起点に、K-POPの世界進出は、最初から海外メンバーでグループを作り、
現地でデビューさせる方式に戦略が転換されている。これを、韓国のエンタメ業界では「韓流3.0」と表現する。

 「韓流3.0」はSMエンターテインメントのイ・スマン前総括プロデューサーが2011年に提起した「韓流発展3段階」で初めて登場した概念だ。

 イ・スマン氏は、韓流文化商品を輸出する第1段階→現地会社・芸能人との合弁で市場を拡大する第2段階
→現地会社と合弁会社を作るなどのアプローチで、海外に韓国の「文化技術」(Culture Technology)を伝授する第3段階、
といった形で韓流が発展する経過を規定した。

 最高の成功モデルとしては、2020年にデビューした「NiziU」(JYP)が挙げられる。

 ガールズグループの名家といわれるJYPが、日本のソニーエンターテインメントと組み、
日本全域でオーディションを開催し選抜した9人の少女たちで構成された「NiziU」は、
オーディションの時点から日本でセンセーショナルなブームを起こし、デビュー以来現在までトップミュージシャンとしての座を守っている。

 デビュー当初はメンバー全員が日本国籍で日本語で歌う彼女たちをK-POPグループに分類すべきかどうかについて韓国では議論があったが、
JYP(パク・ジニョン)は、こう反論した。

 「10年前に会社で計画を立てた。まずは韓国人だけでローンチし、それから外国人と混ざったグループをローンチし、
最後には外国人だけでできたグループをローンチするという計画だ」

 「韓国の会社は韓国人だけのグループを作らなければならないとか、韓国人が50%以上のグループにしなければならないとか、
そういわれると私たちの成長に限界が生じる」

 そして、「NiziUはJYPと契約したK-POPアーティストである」と断言して、論争を終わらせた。
ー後略ー
金 敬哲(ジャーナリスト)

全文はソースから
9/8(金) 6:04配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/7c426bdd0f93faf55baf242ae863310be7330ec3