https://ichef.bbci.co.uk/news/800/cpsprodpb/4E56/production/_131345002_5bdfc6cf-423a-4a9a-8ecd-dc66ab142ec3.jpg
フィリピン沿岸警備隊の船の前に立ちはだかる中国海警局の船

中国海警局(沿岸警備隊)の船が南シナ海でフィリピンの供給船を妨害している実態を、
フィリピン当局の船に乗っていたBBC記者が4日、目撃した。

妨害行為は4日、フィリピンの沿岸警備隊の船2隻と小型の商業船2隻が、南シナ海沖のセカンド・トーマス礁に向かう際に起きた。
BBC記者は沿岸警備隊の船に同船していた。

4隻は航海中、中国海警局と書かれている、商船の5倍の大きさのある船と出会った。双方は数時間、対峙(たいじ)した。

フィリピンは、海洋資源が豊富なセカンド・トーマス礁(タガログ語ではアユンギン礁、中国語では仁愛礁)の領有を主張するため、
戦艦シエラ・マドレを座礁させ、毎月供給作業を行っている。

一方、中国政府は南シナ海のほぼ全域の領有権を主張。セカンド・トーマス礁を含むスプラトリー諸島(中国名:南沙諸島)
についてもフィリピンと対立している。

両国の緊張は先月、中国がこの海域に浮遊式の障害物を設置し、フィリピンがそれを排除したことで、さらに高まっている。

今回の対峙は、3日間にわたる供給作業の2日目に起きた。台風と季節風のため、海は荒れもようだった。

明け方を少し過ぎたころ、フィリピン側の船は、中国海警局の船と、中国の印が書かれた民兵の青い船2隻と出会った。

フィリピンの沿岸警備隊はこの時、約1カ月分の供給物資を載せた商業船2隻を伴っていた。

両国の船が向き合うと、中国船は無線を使い、フィリピン側に退去を求めた。
フィリピン船がこれを拒否すると、中国船は箱型に整列してフィリピン船を妨害した。

フィリピンの商業船2隻はサイズが小さかったため、この封鎖をくぐり抜けた。

しかし、フィリピン沿岸警備隊の2隻の船は通過するには大きすぎ、一時は中国船と数メートルの距離まで接近した。
あまりに接近したため、乗組員たちは互いの写真を撮り合った。フィリピン軍機も上空を飛んでいた。

フィリピン沿岸警備隊の船は、物資が届けられ、2隻の商業船が無事に帰路についたことを確認し、日没とともに引き返した。

5日には、4隻すべてが首都マニラの北の港に戻った。

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フィリピンの商業船は、セカンド・トーマス礁にたどりついた

中国船は、フィリピン船に危険なほど接近して航行しただけでなく、フィリピン船を追い払うために放水したり、
レーザーを照射したりしていると非難されている。

フィリピン政府はまた、中国が係争中の海域で沿岸警備隊のパトロールを強化するため、民兵の船を派遣していると主張している。

オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は2016年、中国が領有を主張している南シナ海の海域について、
国際法上の根拠はないと明確な判断を示した。だが、中国はこの判断を認めていない。

フィリピンでは、昨年就任したフェルディナンド・マルコス・ジュニア大統領が、アメリカと安全保障をめぐって関係を回復。
今年には米軍のフィリピン軍基地へのアクセスを拡大した。

中国の海警局は今回の補給作戦を非難し、フィリピン人が南沙諸島に許可なく入ったと述べた。

2023年10月6日
https://www.bbc.com/japanese/67026266

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