https://news.yahoo.co.jp/articles/300e8c450803eb773959cecceff0472da69a18a1/images/000

群馬県高崎市の県立公園「群馬の森」にある戦時中の朝鮮人労働者追悼碑を管理する市民団体は11日、
最高裁決定を受け碑の撤去を求めた群馬県に対し、撤去命令の取り消しなどを求める訴訟を前橋地裁に申し立てた。
弁護団長の角田義一氏は「追悼碑は公園内で10年にわたって静かに鎮座しており、公益を害するようなことはない。
徹底的に戦う」として、現状維持を強く訴えた。

追悼碑の設置許可をめぐっては平成16年、革新系の市民団体が県による10年間の設置許可を受けて設置。
「政治的行事を行わない」との条件付きだったが、追悼式で出席者が「強制連行の事実を訴えたい」などと発言したため
県は26年、条件に反したとして許可の更新を認めず、市民団体が不許可処分の取り消しなどを求め訴訟となった。

1審の前橋地裁判決は、県の更新不許可処分は裁量権を逸脱し違法と判断したが、
2審東京高裁は「追悼式で『強制連行』という文言を含む政治的発言があり、追悼碑は中立的な性格を失った」などと指摘、
1審判決を取り消して市民団体側の請求を棄却。昨年6月16日、最高裁は市民団体の上告を棄却、高裁判決が確定した。

これを受け、県は今年4月27日付で市民団体に追悼碑の撤去と原状回復を命じた。
その後も協議を持ったものの平行線をたどり、県は7月12日、直ちに撤去するよう求め、着手しない場合、
法定手続きに沿って行政代執行を行うことも通知していた。

弁護団は、「強制連行発言」により損なわれた追悼碑の意義について、「時間の経過によって回復することもある」
とした一審判決を挙げ、
「最初の不許可処分から9年、追悼式をしなくなって11年が経過し、静かな環境の中、時の経過で意義は回復された」とし、
その点は高裁判決も否定していないと訴えた。

弁護団は静かな環境を強調したが、最高裁決定から1年となる今年6月、保守系の市民団体が追悼碑の前で集会を開き、
「判決に従い、早急に慰霊碑を撤去せよ」
「追悼碑は賠償を巡る日韓の争いを想起させるだけで分断しか生まず、日本人も朝鮮人も幸せにしない」
などと訴えている。

10/11(水) 20:10配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/300e8c450803eb773959cecceff0472da69a18a1