10/25(水) 6:00配信
毎日新聞 

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体「UPF」が2021年9月に開いたイベントにビデオ出演するトランプ前米大統領(左)と安倍晋三元首相。いずれも教団トップの韓鶴子(Hak Ja Han Moon)総裁に敬意を示した=UPFのウェブサイトより
https://cdn.mainichi.jp/vol1/2023/10/11/20231011k0000m010219000p/9.jpg

 米国のトランプ前大統領が2021~22年、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体「UPF」からビデオ出演3回の講演料として計250万ドル(当時の為替レートで約3億円)を受け取り、ペンス前副大統領も講演1回で55万ドル(約6000万円)の報酬を得ていたことが判明した。毎日新聞は受領を示す米公文書を入手し、日本国内の訴訟資料などと照合して裏付けた。【田中裕之、大野友嘉子】

【写真】講演料受領が記されたトランプ氏の財務報告書

 ◇UPFビデオ出演、安倍氏銃撃事件の一因

 一方、UPFは21年9月にビデオ出演した安倍晋三元首相について「報酬は払っていない」と主張する。事実なら、安倍氏はなぜ無償で引き受けたのか疑念が浮かぶ。安倍氏はこのビデオの中で「家庭の価値を強調する点を高く評価します」などと教団側をたたえ、22年7月に自らが銃撃された事件の一因になったとみられている。

 UPF(正式名 Universal Peace Federation)は旧統一教会の創始者・文鮮明(ムン・ソンミョン)氏と妻の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁が05年に設立した教団の友好団体で、米ニューヨークに本部を置く。日本では「天宙平和連合」の名称でも活動してきた。

 UPFが米国の政治家に多額の報酬を払ったことを示す公文書の存在が明らかになるのは異例で、UPF日本支部の訴訟で代理人を務める徳永信一弁護士(大阪弁護士会)は毎日新聞の取材に「初めて見た」と話した。

 ◇米大統領選に絡む財務報告書を入手

 米国では大統領選の透明性を確保するため、近年の収入などを記録した「財務報告書」の提出が候補者に義務付けられている。毎日新聞は24年の大統領選への立候補を目指すトランプ、ペンス両氏が米政府倫理局(OGE)に提出した財務報告書を同局に開示請求し、入手した。

 毎日新聞はトランプ、ペンス両氏の陣営に講演料などに関する質問をメールで送ったが、期限までに回答はなかった。また、日本の旧統一教会は「UPFに質問をお願いします」と返答し、UPF本部や日本支部にも質問を送ったが、回答はなかった。

https://news.yahoo.co.jp/articles/f385137169849e7e1e5d2f8edb0a54b2ce152287