https://jp.reuters.com/resizer/GXq7uua_izBjZ7fcY5i6PiTajcc=/960x0/filters:quality(80)/cloudfront-us-east-2.images.arcpublishing.com/reuters/FU527WAMYVLC3LWARJRGJGLMH4.jpg

[16日 ロイター] - 米半導体製造装置最大手アプライド・マテリアルズ(AMAT.O)は、規制を擦り抜けて
中国半導体最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC)に製品を輸出した疑いで刑事捜査を受けている。
事情に詳しい3人の関係者が明らかにした。

関係者の1人によると、米司法省はアプライド・マテリアルズが正式な輸出許可を得ないまま、
SMICに数億ドル相当の半導体製造装置を輸出した可能性があるとして調べを進めている。

米政府は中国向けの先端半導体と先端半導体製造装置の輸出を制限しており、
今年になって規制違反を取り締まるための特別チームを編成した。

アプライドは16日、マサチューセッツ州の連邦検事局から特定の中国顧客向けの出荷について
情報を求める召喚状を受け取っていたことを2022年10月に開示していると説明。

「当社は米政府に協力中で、輸出管理や貿易規制を含めた国際法と法令を引き続き順守する決意だ」とコメントした。

同検事局は「捜査について確認も否定もしない」とコメント。
関係筋によると、国家安全保障部門の検事がアプライドの捜査を担っているという。

捜査状況を知る関係者の話では、アプライドはロードアイランド州グロスターの工場から再三にわたって
韓国の子会社に半導体製造装置を出荷し、そこからSMICに装置が送られたという。

このような出荷は、米商務省が20年12月にSMICを事実上の禁輸リストに追加した後に始まったとされる。

ロイターの取材では、現時点でアプライドが規制に違反したかどうかは確認できず、この捜査が立件に至るかどうかもまだ分からない。

SMICは中国軍と関係があることを理由に禁輸リストに追加されていた。
同社はアプライドからの製品出荷についてコメント要請に応じていない。

輸出管理を担う米商務省の報道官はコメントを控えた。

ワシントンにある中国大使館の劉鵬宇報道官は、アプライドの捜査について承知していないとした上で、
一般論として輸出制限は「市場経済の原理原則や公正な競争と整合性がない」と強調した。

2023年11月17日午前 10:07
https://jp.reuters.com/markets/world-indices/R5RWHZ356FIHZD6WQIRODCHCJI-2023-11-16/