ー前略ー
*本記事は鴻上 尚史『クール・ジャパン!? 外国人が見たニッポン』(講談社現代新書)の内容を一部抜粋・再編集したものです。
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・ラーメン・パワー
 外国から来たもので、日本人がアレンジして、日本を代表する食べ物となった──その筆頭は、文句なく「ラーメン」でしょう。

 日本政府観光局の二〇一〇年の調査によると、来日した外国人が「特に満足した食事」は、一位が寿司、二位がラーメン、
三位刺身、四位うどん、五位天ぷらとなっています。ラーメンは堂々の二位です。

 寿司は海外でも食べているでしょうから、多くの外国人は日本に来て短時間でラーメンと出合い、そして満足しているのです。
ラーメンのパワーがどれだけ強いか、ということです。

 欧米だけではなく、中国、韓国などアジアから来た人も、日本で独自に発展したラーメンを気に入ります。
日本のラーメンは中国から伝わっていても、中国のラーメンとまったく違うのです。

 中国人女性は、「中国と違って、スープの種類が豊富。豚骨、味噌、醬油、塩と日本はあるけれど、中国はだいたいどれも同じ味なの」
と残念そうに言いました。

 外国人がラーメンにはまる理由のひとつは、日本食は比較的薄味のものが多いのに、ラーメンは濃厚な味のものがたくさんある、という点です。

 実際、外国からの大切なお客さまを、うんと奮発して高級料亭に招き、そこで、なんでもかんでも醬油をかけて、
最後にはご飯にまでどぼどぼと醬油をかけて「ああ、日本食は美味しい」と喜ばれたという哀しい(! )経験を持っている日本人の会社員は
少なくないと思います。残念ながら、繊細な味を楽しむよりは、醬油かけご飯が一番美味しい、なんて言う外国人が多いのです。

 そういう人たちの味覚にも、ラーメンは応えられるのです。

 麵に野菜や肉などが入っていて、フルコースの完全食だから好きだ、と言った外国人もいました。

 日本のラーメンは、今、猛烈な勢いで海外に進出しています。
二〇一三年に設立された官民ファンドである「クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)」は、ラーメンチェーンの『一風堂』に対して、
海外進出を助けるために、約七億円の出資と最大一三億円の融資枠を設定し、支援することを二〇一四年一二月に決めました。

 『一風堂』のラーメンは、すでにニューヨークに二〇〇八年、ロンドンに二〇一四年にオープンして、積極的に海外に進出しているのです。

 日本食と言えば「スシ、テンプーラ、スキヤキ」ではなく、「スシ、ラーメン、サシーミ」の時代がもうすぐ来るのでしょう。
鴻上 尚史

現代ビジネス 11/20(月) 13:03配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/76627bbed6050fa0ce969fb6987fae5e2c846377

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