【新刊】五百旗頭薫ほか著、東西大学日本研究センター訳『戦後日本の歴史認識』(サンジニ刊)

 「戦争とは無関係のわれわれの子孫に、謝罪し続ける宿命を負わせてはならない」。
2015年に、当時の安倍晋三首相が発表した「戦後70年談話」は、過去の侵略に対する反省と謝罪を示さず、
北東アジア諸国との今後の関係に暗い影を落とした。

本書は、その歴史認識問題を政治外交史的観点から再検証する目的で、2017年に日本で出版されたものだ。
東アジアでは歴史が歴史認識をつくるだけでなく、歴史認識が歴史をつくることも起きている−という考え方がその中に入っている。

 戦後日本の歴史認識は、戦前の「勝者の歴史認識」とは違って「加害者」「被害者」「敗者」としての認識で構成されていると指摘し、
この三つの認識の関係を把握してこそ日本の歴史認識を理解できる、と記している。

敗北から回復していくこと、被害者としての反戦感情、加害者としての反省が複雑に作用する中でつくられたという話だ。
そうした中で、嫌韓の雰囲気や政治家の妄言もまたしばしば出現する。
執筆陣の一人は「自分には二倍謙虚になり、相手には二倍寛容であってこそ、一層冷静に韓日関係の現状を把握できるだろう」
と語っている。352ページ、2万8000ウォン(約3090円)

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者
12/3(日) 8:05配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/300e38094f0f2e2e1f160871c414c0cce0033654