・韓国の「老害世代」
 韓国ではいま、文在寅前政権の「反日、不買運動」で味わった窮屈さ、理不尽に心底嫌気が刺した若者たちが、
やっとそれらしい事を口に出し始めている。

 どの国でも若者が父親に説教されると「今は時代が違う」と反抗するものだが、韓国がいまその流れの様だ。

 韓国は目上の人を敬う文化が今も色濃く残り、特に家族、親戚には絶対的だった。
それが今では日本で流行る「親ガチャ」なる単語も出てきて、若者が大人の行動に違和感を持ち始めているのだ。

 特に、文在寅前政権の裏切り(窮屈、理不尽)は決定的で、反日正義を嫌い、
日本文化に憧れた若者たちを一気に目覚めさせてしまった。

 彼らは文在寅前政権が唱えた「日本の不必要性」を窮屈と感じ、理不尽を感じたことで、
これまでは社会正義とされてきた運動家、活動家たちにも強く疑問を持ち始めている。

 そんな若者たちは今、尹政権による「反国家排除の粛清」を歓迎するばかりか、文在寅政権世代、
いわゆる586世代(今の50代をさす)を忌み嫌い、「老害世代」と呼び始めているのだ。

・韓国「586世代」のリアル
 私も韓国で50〜60代の活動家を見ると、明らかに青春を運動に費やしてきた雰囲気を感じる。
日本は戦後早い時期に「三種の神器」と言っては一般家庭に家電が普及したが、
その頃の韓国は日本に住んでいると想像もつかないほど貧しかった。

 日本に住んでいた私の世代では、家に家具調ステレオがあり、レコードからカセットテープ、CD、MD、デジタルになり、映像も8ミリカメラ、
映写機だったものがビデオからデジタルと国の成長に合わせて変遷してきた。
ファッションも同じ様に、VAN、JUNからボートハウス、裏原ブランド、DCブランド、ハイブランドとそれなりに青春の思い出がある。

 一方で、韓国の60〜70年代は高度成長期というより貧困脱出期にあたり、国民が日本の様な余裕を日常で感じられることは
一部の階級のみだった。その一部の階級でさえ日本ほど裕福ではなかったのだ。

 韓国の成長期に流行ったモノの多くが日本製品で、その代表格の一つが炊飯器だろう。
80年代までも韓国で象印炊飯器は憧れの商品だった。
そんな貧困から少し抜け出せそうな時代背景の韓国で生まれたのが「586世代」なのだ。
貧困や差別から抜け出す隙間を狙って思想旋風が巻き起こることはしばしばある。

・「文在寅バブル」が、ついに弾けた!
 私は日本から韓国に移り住んで暮らしてみると、文在寅政権は一種の「思想バブル」で、
いま尹政権によってそのバブルが弾けた様にも見える。そもそも初代大統領は韓国の貧困の不満を「反日」へと目を背けさせたのがはじまりだ。
それ以降、韓国内で失策による不満や経済不安が出てくると、必ず国民感情を「反日」へと煽動した。

 それでも中立、親日的な政治家、役人もいたが、文在寅政権の忖度人事ですべて排除されたのは記憶に新しい。
それがいまやっと「正常化」しつつあるということだ。

豊 璋(在韓国コンサルタント)
現代ビジネス 12/7(木) 7:32配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/a783f2be527b2bdc417cac1d33e1b35171baaaea