NHK紅白歌合戦は、旧ジャニーズ事務所所属のミュージシャンの出場がゼロになりましたね。それ自体は当然のことかなと思うのですが、
その穴を埋めるために、「K―POP依存紅白になってしまった」という批判の声も上がっているようです。

なんとか若者に紅白を見てもらいたい、そして受信料を払ってほしいNHKとしてはそういうことになるんでしょうが、
もうお年寄りは完全に置き去りの紅白ですね。

じゃあ民放各局がどうか、というと、残念ながらどこの局もそんなに心躍る感じの番組はなさそうですね。
TBSがWBCのスペシャル番組を延々の6時間もやるのは若干斬新ですが、それ以外の局は例年通りの見慣れた番組が勢ぞろい。
これといった期待感はまったくありません。

TBSのWBCだって別に試合を生中継するわけじゃありませんから、果たして飽きずに見られるかな…と考えると疑問です。

こんなに何も見るものがなさそうな「ガッカリ大みそか」にしちゃっていいんでしょうかね? 
せっかくみんなでテレビを見るような「特別感が若干はある大みそか」を無駄にしてしまうのは、テレビ界にとって大きな損失のような気がします。

「若者のテレビ離れ」みたいなことが言われて久しいですが、もうテレビ離れは若者だけの話じゃ完全になくなっていますよね。
最近、結構お年寄りと話をする機会が多かったんですけど、
どのお年寄りも「最近の地上波はまったく見るべきものがない。つまらない」と口をそろえて言っていました。

うちの母親はAmazonプライムで欧米のドキュメンタリー番組やドラマなんかを夢中になって見ているようですし、
韓国ドラマはもちろん、「チャンネル銀河」とかで中国の歴史ドラマにハマっているお年寄りも多いようです。

中国の歴史ドラマは何がすごいって、平気で50話とか80話とかありますから、どこまでも果てしなく見続けられるんですよね。
ガッツリお年寄りの心をつかむはずです。

そして僕らくらいの年代の「オッサン・オバハン」も、もうあんまり見てないですよね地上波を。
配信かユーチューブかのどちらかの話をする人が多いです。

もう「みんなでそろってテレビを見る大みそか」は絶滅寸前ですよね。
でも、お金も期待感もないならせめて「アイデアと度胸一発」の、ヤケクソ実験番組でもやったらいいのに。
家族みんなで期待してみたら「なーんだ期待外れだったね。でも笑えた」くらいのデタラメな挑戦を
若手ディレクター&プロデューサーにやらせればいいのにな、と思います。
■鎮目博道

2023.12/7 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20231207-2LASFFW6IRIM5JIHWTBFBLCVM4/