・秩序崩壊「韓国の夜」
 韓国では、2022年のハロウィンに150人以上が亡くなった梨泰院の雑踏事故があった。
その後1年を過ぎて、いまでは“元のもくあみ”になっている。

 韓国の朝鮮日報は12月23日、『路地で酒盛り、クラブからは夜通し騒音…梨泰院雑踏事故現場、安全秩序はまた崩壊していた』
と題して、事故から何も教訓を得ていない実態を紹介していた。

 記事では、人々がウィスキー片手に闊歩し叫んだり歌ったりする模様や、道端で寄って座り込んだり寝ていたりする姿を報じている。

 極寒の韓国で寝込んでしまえば命に関わることだが、実は極寒だろうが、真夏だろうが、道端で寝ている人は結構見るのだ。

 実際、真夏になると私の自宅から徒歩で15分ほどの新沙(シンサ)の飲み屋街から帰る途中に、何人も寝ている人を見かける。

 冬になっても飲み屋街の通りで見かけたりするが、寝ているだけならまだしも、
酔っ払って運転して道や交差点の真ん中で寝込んでしまう人も少なくない。

 ある日もタクシーに乗ったら、車が止まったことがあった。
渋滞する時間でもないのにどうしたのだろうと思っていると、やはり酔っ払いが道の真ん中で車を止めて寝込んでいた。
酔っ払い事情は、さておき梨泰院事故のその後に関して言えば「喉元を過ぎればなんとやら…」なのだ。

・「責任転嫁」ばかり
 事故があった時には主要な幹線駅に祭壇が設けられたり、報道は一斉に誰の責任だと追求したりもしていたが、
1年も経たずに元の姿に戻ってしまった。

 事故を教訓とした防止策は当時からいろいろ指摘されたが、どこまでいま実行されているのだろうかと思わずにはいられない。

 今では人通りの多い路地の飲食店も流れを遮る様に道端にテーブルを出しているし、
クラブではクレームが入るほどの大音響状態のところも少なくない。
一方で、遺族ではない市民団体が韓国国会の前で事故の真相究明をもとめて断食を極寒の中で断行しているが、
これは一体何だろうと思えてならない。

 私もこれまで何度か「学ばない、学べない韓国」についてご紹介してきたが、まさに梨泰院事故以降のこの実情も一例だろう。
朴槿恵政権時に起きた大惨事の「セウォル号沈没事故」も記憶に新しい。

 韓国に住んでいると毎年の様に大きな事故が起き、その度に責任転嫁を誰にするかで騒動が起きている。
しかし、その後は再発防止策、対策は徹底されていないのではないかと思うことが少なくない。

・繰り返される事故
 2023年末のクリスマスイブの12月24日、韓国・忠清北道(チュンチョンプッド)清州市内のゲレンデで施設が崩壊して、
20人が一時生き埋めとなり、3人が重軽傷を負う事故が凝った。

 ちなみに、この事故は23日にオープンした次の日の出来事だったという。

 市は「運営は民間業者に委託していたが、今回の事故には驚いている」と言うが、果たしてどうだろうか。
これも同じことの繰り返しにならないかと不安になってしまう。

 2023年の韓国は「反日」の反省から日韓関係の改善に動き出したが、果たしてこれも安心はできない。
2024年には韓国で総選挙があり、そこで再びの“元のもくあみ”ということも十分にあり得るのだ。
言うまでもなく、そうなれば日韓関係はもはや取り返しのつかない大崩壊へと突き進むだろう。

豊 璋(在韓国コンサルタント)
現代ビジネス 1/12(金) 7:33配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/ce9bfe93e27f4b1343dbd079a57520cc9454af83