瀕死の中国経済

 中国株の下落が止まらない。

 昨年、3000ポイント半ばで推移していた上海総合指数は、1月22日についに2700ポイント台まで下落した。株売りが悲観的なセンチメントを助長し、経済成長のさらなる重しになるとの懸念から、中国当局は機関投資家に株を売らないよう要請するなど株価の下支えに必死だ。

 この効果が出たのか、1月26日には2900ポイントを回復したが、先行きに光明などどこにも見当たらない。

 株価のメルトダウンのせいで中国株全体の時価総額も米国に大きく水をあけられている。ブルームバーグによれば、その差は38兆ドルに達しており、世界第2位の経済大国のメンツは丸つぶれだ。

 この事態を重く見た李強首相は1月22日、国務院に対策強化を要請した。これを受けて市場では「株式市場の下支えのために約2780億ドル(約41兆円)の資金が投入される」との観測が出ている(1月23日付ブルームバーグ)が、投資家の反応は冷ややかだ。

中国の「PKO(株価下支え)」は効果なし
 2015年の下落時にも市場に2400億ドル相当の資金が投じられたことがあった。ところが、買いが一巡すると株価が再び「下げ」に転じた。こうした経緯を知っている投資家は、もはや中国株に投資する意欲など沸くはずはない。

 同じ轍を踏む中国政府の対応を見るにつけ、1990年代の日本政府が大量の資金を投入して株価を下支えようと躍起になっていたことを思い出す。この動きを市場関係者は国連の平和維持活動の略語であるPKOになぞらえて、「プライス(P)・キーピング(K)・オペレーション(O)」と呼んだ。

 株価の大本の原因は当時の日本と同様、バブル崩壊後の中国経済に対する不透明感が高まっていることにある。小手先の方策を講じても徒労に終わることは目に見えている。

 中国政府は今年も大型景気刺激策を講ずる可能性は低く、習近平国家主席も「質の高い発展を目指せ」と曖昧なスローガンを繰り返すばかりだ。

 こうしたスローガンがまったく意味をなさない背景には、中国経済の「潜在成長率」が低下しているという致命的な欠陥がある。

 その原因については、後編記事『中国経済「終わりの始まり」…勢いを増す「致命傷の人口減」と「辰年ベビーブーム」の神頼み…その「ヤバすぎる実態」』でじっくりとお伝えしていこう。

藤 和彦(経済産業研究所コンサルティングフェロー)

https://news.yahoo.co.jp/articles/e403e9d0eedcf26aed77c439e2d213e07969275c

習近平は中国株を支えられない、FRBが米国株を支えられないように [1/30] [昆虫図鑑★]
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