ジョー・バイデン米政権は、中国・習近平政権に対する工作活動強化に踏み切ったのか。
米中央情報局(CIA)のウィリアム・バーンズ長官が、米外交専門誌「フォーリン・アフェアーズ」(電子版)に寄稿し、
中国対策予算を2年間で2倍以上にしたと明らかにした。
中国にあるCIAのスパイ網は大打撃を受けたとされ、再構築に向けた動きの可能性もあるが、中国は猛烈に反発している。

「ロシアは当面最大の試練だが、中国はより大きい長期的な脅威だ」

バーンズ氏は1月30日付の寄稿でこう指摘し、中国に関する情報収集や分析に注力し、
中国語を話せる人材の登用などを進めているとした。
これに対し、中国外務省の汪文斌副報道局長は2日の記者会見で、「中国は警戒を続け、米国の違法行為を阻止する」と述べた。

中国では2010年ごろから米政府への情報提供者が次々と拘束・処刑されたといわれ、
CIAによる中国での情報ネットワークは一時、「壊滅状態」に陥ったとされている。

CIAの「対中予算倍増」を識者はどうみるのか。

福井県立大学の島田洋一名誉教授は「スパイ網が一網打尽にされるということは、
CIA内にいる中国の協力者が情報提供したのではないかとの指摘が米保守派から出ている。
『中国に対する情報面での締め付けが弱っている』という共和党の攻勢を受けて予算を増やしたのだろうが、
中国情報を分析する人間を増やしただけでは意味がない。
米国内の中国スパイの摘発強化や、中国で活動するスパイ網充実に生かされないといけない」と話した。

2024.2/3 15:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20240203-XE2KDAOBKVIX3B52UD4ZDSPDZY/