超党派の国会議員でつくる「日朝国交正常化推進議員連盟」(会長・衛藤征士郎元衆院副議長)は27日、国会内で総会を開いた。
北朝鮮による日本人拉致問題などの解決に向け、岸田文雄首相に早期の訪朝を要請する決議を採択する予定だったが、
案文を問題視する声が複数の出席議員から上がり、大幅に修文することになった。

衛藤氏が当初、採決しようとした決議案は、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記が能登半島地震を
見舞うメッセージを「閣下」との尊称を付けて首相宛てに送ったことや、金氏の妹、金与正(ヨジョン)党副部長が首相の
「訪朝の日が来るかもしれない」とした談話を発表したことに言及。
それらを踏まえて「北朝鮮のこの新しい動きに我々は真摯に対応すべきだ」として、首相の早期訪朝を求める内容だった。

しかし、国民民主党の玉木雄一郎代表は「日本国から複数のメッセージを出すべきではない。政府と足並みをそろえる必要がある」
と指摘し、「真摯に対応すべきだ、というのはどういう意味か」と案文の表現を疑問視。
さらに与正氏の談話が拉致問題について、「すでに解決した」「(日朝)両国関係展望の障害物として捉えることさえしなければ」
としていることに触れ、「(これらを)飲んだかのように捉えられるのは、日本国のメッセージとしてどうなのか」と訴え、
案文通りの採択に反対した。

共産党の笠井亮衆院議員も「(平成14年の)日朝平壌宣言、拉致、核・ミサイル(などの諸懸案の包括的解決)、
(不幸な)過去の清算をきちっと書き込む必要がある」と不備を指摘した。

日本維新の会の馬場伸幸代表は「交渉条件が整っていないにも関わらず訪朝するのは、かなりリスキーではないか」
との見解を示した。

こうした指摘を受け決議は、金氏のメッセージや与正氏の談話に関するくだりや「真摯に対応すべきである」といった箇所を削除し、
政府の北朝鮮への対応方針を追加することになった。

衛藤氏は総会後、記者団に対し、朝鮮総連の幹部2人と25日に面会したことを明らかにした。

総会には自民党の石破茂元幹事長や中谷元・元防衛相、小渕優子選対委員長らも出席した。

2024/2/27 22:47
https://www.sankei.com/article/20240227-FKEQ75WZ4FLDTLZHNE27K7AJ74/