韓国のELS問題です。香港ハンセン株式市場の「Hang Seng China Enterprise Index」(HSCEI)を基準資産とする
ELSを購入した人が「元本補償しろ」と抗議活動を行っており、韓国の金融当局が崖っぷちに立たされています。

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↑ELSの損失を補償しろとデモ活動を繰り広げている「自称被害者」の皆さん。

本来であれば「投資リスクを考ていなかったのは自分のせい。自己責任」で済むのですが、韓国ですのでもめています。
韓国政府は「ELSを販売していた金融機関が自主的に損失補償を行え」という信じがたい態度を取っており、
販売側は「オレのせいなの?」と反発しているのです。

韓国金融当局の態度が実にいい加減なので、金融機関ではELSの販売見合わせているのですが、
市中銀行の中では『ウリィ銀行』だけは販売を続けています※。しかも、売れているELSがあるのです。

「Nikkei225」(日経225)を基準資産とするELSです。

読者の皆さまもご存じのとおり、日本の株式市場は史上最高値を更新して絶好調(1年間で日経平均株価は約28%急騰)。
日本の株式市場が好調だというので、基準資産を日本株においたELSの販売が伸びたのです。

2023年12月末時点「Nikkei225」連動ELS販売残高
『国民銀行』:2兆9,129億ウォン
『ハナ銀行』:1兆9,049億ウォン
『新韓銀行』:1兆6,499億ウォン
『ウリィ銀行』:4,873億ウォン
『農協銀行』:197億ウォン
小計:6兆9,747億ウォン
5大銀行合計で「約7兆ウォン」のELSが売れたわけです。

※5大銀行のうち、『国民銀行』『新韓銀行』『ハナ銀行』は2024年01~02月でELSの販売を停止。
『農協銀行』は2023年10月以降は該当ELSの取り扱いを停止。

――で、韓国メディアが心配しているのは、「HSCEI」みたいになるんじゃあるまいな――です。
販売会社は、「日経は香港みたいに半分になることはない」と述べている――とのこと。

韓国の皆さんにしては、日本を信頼していらっしゃるみたいですよ。

(吉田ハンチング@dcp)
2024.02.28
https://money1.jp/archives/122703