3/10(日) 18:37配信 産経新聞

朝鮮学校に対して10道府県と83市区町が令和4年度に支出した補助金総額は2億3千万円あまりに上った。財政緊縮に伴う予算カットに踏み切った自治体がある一方、「子供に罪はない」として支援を続ける自治体も。北朝鮮による日本人拉致問題は解決されておらず、たび重なるミサイル発射に国民の不安が高まるなかで、自治体の判断が注視されている。

「朝鮮学校だけ狙い撃ちしているわけではなく、理解を求めたい」

教育委員会の担当者がこう語るのは北九州市。市長交代後の6年度予算で、補助金の4割カットに踏み切った。市内に1つある朝鮮学校に対し、平成23年度から年300万円、令和4年度以降は年285万円を支出してきたが、6年度は174万円に減額した。

市は私立校並みの支援を続けてきたが、新市長による予算の見直しに伴い、私立校の支援を一律に政令市の全国平均水準まで引き下げたことに合わせ、朝鮮学校にも同様の対応を取ったという。

これに対し、インターネット上では権利の侵害を訴えて削減撤回を求める署名運動が起こされている。市は2月に学校側に経緯を説明しているが、学校側からは「話し合いの場を設けてほしい」とさらに要請されているという。

県内に6つの朝鮮学校がある兵庫県は4年度は4689万円の支出を報告。斎藤元彦知事は昨年7月の産経新聞などのインタビューで、朝鮮学校の運営実態を踏まえて支出を見直す動きに対し、「子供の教育は分けて考えるべきだ」として支援の継続を表明している。

3年度に備品などの購入費として20万円を出した岡山県では、4年度の支出はなし。「学校側から申請がなかった」(担当者)という。

一方、北海道の4年度支出額は275万円。当初予算は管理運営費に充てる182万円だった。これに加え、給食などの原材料費や電気料金の値上げに対処するため、93万円を補正予算に計上した。補助金は最終的に前年度比100万円増となった。物価高騰対策として追加支出している自治体は北海道以外にも複数あり、5年度以降は補助金総額が増加に転じる可能性もある。

■北の体制たたえる教育なお継続


https://news.yahoo.co.jp/articles/9be07c35064fd711c841c230a12acd6305d446ac