【ソウル=時吉達也】10日に投開票された韓国総選挙では、対日関係の改善に貢献した知日派の重鎮議員らが相次ぎ落選した。今後の日韓関係にも影を落としそうだ。

惨敗した与党「国民の力」では、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権初期の外相で、いわゆる徴用工訴訟問題に対し韓国政府主導の解決策を提示した朴振(パク・チン)議員(4選)がソウルの選挙区で落選。韓日議連会長を務め、次期国会議長の有力候補だった鄭鎮碩(チョン・ジンソク)議員(5選)は中西部忠清南道(チュンチョンナムド)の選挙区で、約2・2ポイント差の接戦で野党候補に敗れた。

革新系では、韓国紙の東京特派員出身の李洛淵(イ・ナギョン)元首相(5選)も落選した。今回圧勝した革新系最大野党「共に民主党」を離れ新党を立ち上げたが、支持基盤の南西部光州(クァンジュ)で共に民主党候補に約62ポイントの大差で敗れ、韓国メディアは「政界引退に追い込まれる可能性がある」と報じている。

選挙ではこのほか、北朝鮮の元駐英公使で、脱北し、前回選挙で与党公認候補として初当選した太永浩(テ・ヨンホ)議員もソウルの選挙区で落選した。

産経新聞 2024/4/11 12:24
https://www.sankei.com/article/20240411-LMFIMX7SMFM5VPRNF2AMA5V2PU/