政治評論家の屋山太郎氏が9日、肺気腫のため横浜市の自宅で死去した。91歳だった。
長年、日本の保守論壇を代表する論客として活躍した。時の政権や政局、国際情勢などに歯に衣(きぬ)着せぬ直言で知られ、
「喧嘩(けんか)太郎」とも呼ばれた。夕刊フジにも、寄稿やコメントを数多く寄せてくれた。

屋山氏は1932年、福岡県生まれ。59年に時事通信社入社。首相官邸キャップ、ジュネーブ特派員、編集委員兼解説委員など
を歴任し、87年に政治評論家として独立した。
81年には、第2次臨時行政調査会(土光臨調)に参画し、国鉄の分割・民営化を進めた。
多くの政府の審議会委員を務め、行財政改革や、選挙制度改革に携わった。
産経新聞「正論」メンバーでもあり、2001年に第17回正論大賞を受賞した。

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夕刊フジでも「屋山節」を何度も披露してくれた。

昨年8月、岸田文雄政権絡みの不祥事が相次いでいた。

屋山氏は「最近の不祥事は『行儀の悪さ』が目にあまり、国民は『政治家の質の低下が加速している』と受け止めている。
岸田政権は常に『説明責任』を欠いている。不祥事が起きても、政治家が信念を持って誠実に説明し、行動すれば、信頼は戻ってくる」
と訴えた。

21年9月、中国と台湾が、TPP(環太平洋経済連携協定)へ加盟を申請した。

屋山氏は「台湾をTPPに加盟させて、中国にはルールをしっかりと示すべきだ。中国は、ウイグルでの人権問題を1つ取っても、
TPPに加盟できるわけがない。日本は中国の圧力に萎縮することなく、断る理由を淡々と述べればいいだけだ」と指摘した。

コロナ禍の20年3月、小中、高校の一斉休校が行われるなか、若者が繁華街に出歩く様子が問題視された。

屋山氏は「若者は、病気にかからないから大丈夫だと思っているかもしれないが、発症しなくとも祖父母や家族にうつして
重症化するかもしれない。家族に迷惑をかけないことが社会のためにもなる。『責任を自覚しろ』と言いたい」と語っていた。

2024.4/19 15:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20240419-S4HCTVZC7JPMLNPGMKXW4ER7UY/