【PSO2】ただいま
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帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ帰れ せめて休日の昼とかにスレ立てろよ
釣れるもんもつれねーだろ おう、おかえり
だがログインはするな
鯖の負荷が増えて運営様が損をしてしまうので
だが課金はしろ
ゲームはしないで金だけ払うのが今のトレンドなので バカじゃねぇの?
自分から大便に飛び込みに戻ってくるとか >>9
わかるぞ〜俺も同じだわ
一回やめてやっぱりPSO2が好きで戻った 誰もお前らの帰りなんか待ってない
一秒でも長く残業して稼いで来い >>16
まぁ自キャラは家族みたいなものだから…
愛しのヒュマ子を見捨てて他ゲーいくなんてありえんわ その日も、いつものように日が西に傾いていた。深紅に染まる太陽はその色を染み
だしたかのように、トワイライトの空を染めている。静寂たる、だが何処か激しさを
秘めた夕暮れだ。
その夕日を見つめる少女がいた。彼女はほんの少し、そう2、3秒だったが寂しそ
うにその夕日を見つめた。だが、それをすぐに止め、彼女は自分の家へ入って行った。
家と一口に言ってもそれは豪邸である。彼女の父は諸侯でこの辺りを治める太守であ
るのだ。彼女がいま、向かうのは夏用の別荘地で、本来の城はここからはなれた街の
中心にある。だが、その城に彼女の父は不在だった。
「ねえ・・・おとうさまはいつ帰ってくるの?」
少女が言った。彼女の名は、セリア・フォン・ヴァーデンベルグ。彼女の父はこの国、
フェルナーデ王国の英雄である。名をロバート・フォン・ヴァーテンベルグ。ロバー
トは現在出征中である。現在彼らの国フェルナーデは隣国オールウェンと交戦中なの
だ。故に、前回の戦争で功を挙げたロバートは現在、前線指揮官として戦っているの
である。 その父を心配してセリアはそう執事のヴァルグに尋ねたのである。
「さあ・・・戦が終わるまで、帰省は難しいのでしょう・・・」
ヴァルグは残念そうに首を振りながらそう言った。初老の小柄な男だが、忠実かつ
堅実な男で、ロバートの教育係を勤め、さらにはセリアの執事としてヴァーテンベル
ク家に長く仕えてる者である。
セリアは一つ大きなため息をついて、亜麻の長い髪をかきあげた。薄暗くなりかけ
た部屋にランプを灯し、ヴァルグは彼女に優しく声を掛けた。
「セリア様のお誕生日までにお帰りになられるとよろしいのに・・・」
その言葉にセリアはくすりと笑った。そして、「そうね」と答え、燃え盛るランプ
を炎を見つめていた。彼女は絶世と形容してもいいほどの少女だった。あと数年経て
ば、まさに絶世の美女となるだろう。それだけの容姿を有していた。そして、その美
しさにランプの淡い光が優欝な陰影を刻み込む。
そうではない、彼女はそうは思っていなかった。自分の誕生日をロバートに祝って
ほしくないと言えば嘘になる。それよりも、彼女は嫌な予感がしていた。一刻も早く、
父が帰ってくることを祈っていた。
その嫌な予感を覚えてもう3カ月になる。セリアの不安は絶頂に達し、苛立ちもそ
れに比例して高まって行った。 数週間が過ぎ、セリアの16回目の誕生日が訪れた。彼女らは町の郊外にある別荘
に移り、そこで厳かなパーティが開かれた。ついに、ローバトは娘の誕生日に間に合
わなかったのである。ちなみに、セリアは母を生まれて間もないころ、なくしている。
つまり、現時点では肉親はロバートただ一人なのだ。
「・・・おとうさま、間に合わなかったわね・・・」
セリアは微笑みをその美しい顔に携えてヴァルグに言った。その気丈な態度にヴァ
ルグは戸惑いを表したがすぐに立ち直った。
「もうすぐ、帰られますよ・・・どうやら休戦条約が結ばれるようですし・・・」
大した人だ・・・内心、寂しくてたまらないだろうにそれを決して表面に出さぬと
は・・・ヴァルグは16歳になったばかりの少女を見つめ、驚嘆していた。ロバート
の人柄も他人の追随を許さぬ、将として、人の上に立つものとして十二分な才覚を秘
めている。そして、その神々しさはセリアにも受け継がれていた。
その刹那。外からひずめの音が聞こえてた。
「おとうさま?」 セリアが喜々として玄関へと走って行った。期待で胸がはちきれそうである。おと
うさまじゃなかったら・・・そんな疑問をふと胸に宿した彼女であったが、それは刹
那に希望に押し潰された。
だが、その期待は簡単に崩壊した。そう、玄関のドアを開けると言うだけで。
「どなたですか?」
期待を裏切られたセリアの言葉は少し暗かった。それは訪れた者に対して失礼であっ
ただろうが、ショックに襲われた彼女にはそんな余裕はなかった。
「・・・ロバート・フォン・ヴァーテンヴェルグ侯の令嬢、セリア嬢ですかな?」
若い、鎧で身を包んだ若者が訪問者であった。彼は儀礼的な口調でセリアに尋ねた。
「・・・はい。そうですが、私に何か?」
彼女は自分の質問が無視されたことに少し腹を立てたが、いたって彼女は平静を勤
めた。
「・・・オールウェンとの戦が終わりました」
「じゃあ、父は、ロバートは帰られるのですか?」
セリアは戦が終わると言う言葉に喜々として尋ねた。だが、その若者はゆっくり首
を横に振り、諭すような口調でセリアに話した。
「・・・いいえ、あなたの父、ロバート侯は帰られません。いえ、この先、未来永劫
にね・・・」 その言葉にセリアは愕然として暫し沈黙した。そして、恐る恐る問いた。明敏な彼
女はその言葉で、事実を悟ったのである。皮膚の裏側に、おぞましい物が駆け抜ける
ような感覚を全身に覚え、悪寒が脊髄を貫いて行く。
「・・・父は・・・死んだのですか?」
暗く沈んだ声であった。端ではヴァルグが駆けつけていた。だが、その彼もセリア
の言葉に驚愕し、立ち止まった。
「セ、セリア様! そ、それは本当でございますか?」
ヴァルグは狼狽しきった声でセリアに尋ねた。だが、セリアは彼に暗い視線を投げ
かけただけで、無言でいた。セリアは自分自身が冷静でいられること自体、不思議だっ
た。
言いたくなかった。もし、それが事実であっても。認めたくなかった。父が死んだ
ことなど・・・
セリアは必死で涙をこらえ、
「ご報告、ありがとうございました・・・」
と、気丈に言った。だが、その言葉は誰が聞いても震えていた。
「いえ・・・、遺書を預かっております。どうぞ・・・」
若者はそう言いながら外套の下から書状を取り出し、セリアに渡した。セリアはす
ぐにそれを受け取った。だが、その時、若者が嫌らしく笑ったのを彼女は不覚にも見
逃してしまった。遺書に目を捕らわれすぎたのだ。無論、ヴァルグもそれに気付かな
かった。 「私の名は、ノーマッド・フィシス・フェルト。あなたとは遠縁に当たる者です。戦
地ではロバート侯と一緒に戦った仲です。彼いわく、この地は私が治めろと・・・無
論、その遺書にも書かれてあるはずです」
冷酷な瞳を携えて、ノーマッドは言った。高貴を漂わせる端正な顔に欲望が見えか
くれする。彼自身に、ロバートやセリアに対して憎しみを持っていなかったにしろ、
巡ってきたチャンスの前に彼はセリアを邪魔者にするしかなかったのである。いや、
本能的に、彼女を邪魔とした。
「馬鹿な! ロバート様にはセリア様がいる! 何故、お前のような者がここの太守
になると言うのだ!」
ヴァルグが憤慨して叫んだ。セリアは父ロバートの寵愛を受けて育った。だれしも
が、ロバートの後を継ぐものはセリアだと信じていた。無論、男性主義のこの国であっ
ても女性の太守は前例がある。
「黙れ、おいぼれ! これからは私が主人になるのだぞ。そんな口を聞いても良いの
か? それとも、ヴァーテンベルグ家ではそんな風習なのか?」
嘲笑が混ざり、高飛車な態度は聞く者に不快感を与えた。その言葉にヴァルグの堪
忍袋の尾は脆くも断ち切られた。
「きさまぁっ!」
ヴァルグはノーマッドに突進した。ロバートの先代から仕えている彼である、ヴァー
テンベルグ家を侮辱されるは自分を侮辱されるに値するのである。
「止めなさい!」
突進する彼を制したのはセリアであった。
「セリア様・・・」 ヴァルグは自己嫌悪した。一番辛いのはセリアである。父親を亡くし、そして、さ
らに父の座を見ず知らずの若者に奪われたのである。だが、それにも彼女は耐え、冷
静を保っていたのである。ヴァルグは恥じた。もう、六十も過ぎたのに自分さえも制
御できないふがいなさを。
「仕方がないわ・・・おとうさまが決めたことですもの・・・」
悔しさを噛みしめながらの悟りであった。だが、それ以上に、父の死は甚大であっ
た。どうしようもない不思議な疲労感と脱力が彼女を襲っていた。それらが、皮肉に
も、彼女の悲しみを和らげていたのである。
「聞き分けの良い方だな」
ノーマッドは意地が悪そうに笑い、一本の細身の長剣を取り出した。そして、それ
をセリアに放り投げる。
「これは?」
セリアが慌てて受け止め、怪訝そうに尋ねた。剣は立派な彫刻が掘られた鞘に治まっ
ている。彼女が慣れないてつきで鞘から剣を抜くと、油のような光沢を放った刃が見
えた。この光沢は流白銀、ミスリルである。かつて古代文明の遺産とも言われる特殊
な金属セラミックの一種だ。硬度は鉄より遥かに勝り、かつ軽い素材である。
「ロバート侯からの預かり物さ。見ての通り、ミスリル製の女性用の剣だ。彼は言っ
ていたよ、セリアには旅に出てほしいとな」 その言葉にセリアは全てを理解した。要するに邪魔なのである。ロバートの一人娘
がいたのではノーマッドにとって、それ以上の邪魔はない。彼の言葉が本当かどうか
は、甚だ不可解であるが、父の名を出されてはセリアは従うしかなかった。
だが、剣を渡されたが、彼女は剣術を知らない。いや、剣など触るのは16年間生
きてきて、皆無に等しい。
「私からは200枚の金貨を渡そう。路銀には十分すぎる金だろう? 足りなくなっ
たときは何か仕事でも見つけるんだな。色々あるだろう? 傭兵だとか、賞金稼ぎだ
とか・・・」
高飛車なその態度は変わらない。どうしようもない怒りを唇に噛みしめ、セリアは
足元を見ていた。
「セリア様・・・」
ヴァルグはどうすることも出来ず、ただ狼狽していた。
次の日。別荘の庭で厳かなセリアの旅立ちの儀式が行われた。参加者は、2名。ヴァ
ルグと、ノーマッドである。
「セリア様・・・」
「大丈夫よ・・・きっと、おとうさまが守ってくださるわ」
ヴァルグが調達してきた皮鎧と外套を身に纏い、セリアは気丈に微笑んだ。だが、
内心は不安で仕方がいないのだろう。紫紺の瞳は小刻みに搖れていた。
儀式が終わり、旅の安全を風の神シルフィードに祈るとセリアは街道の入口に立っ
た。
その日は温暖なこの地では珍しい、北風が吹き荒れる日であった。その風を背にセ
リアは孤独と共に見えはしない風の行方を見つめていた。
不安はかき消されたような気がした。
そして、セリアはその風の行方を確かめるように、風下に向かって歩き始めた。
運命とは皮肉である。
それを彼女が悟るには、未だ彼女に経験はなさすぎたのだが。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています