去年、富山市の駐在所に拳銃を奪う目的で押し入り警察官にけがをさせたとして強盗殺人未遂などの罪に問われた元大学生に、裁判所は懲役14年の判決を言い渡しました。

富山大学の元学生、前田将輝被告(23)は去年1月、富山市の池多駐在所に拳銃を奪う目的で押し入り、
警察官をハンマーで殴りつけたり小刀で切りつけたりしてけがをさせたとして、強盗殺人未遂などの罪に問われました。

被告は起訴された内容を認め、弁護士は「被告にはコミュニケーションがうまく取れない発達障害があった。拳銃を奪ったのは交際相手から別れを告げられ自殺するためだった」として、
殺意は確定的なものではなく、刑を軽くするよう求めていました。

20日の判決で、富山地方裁判所の大村泰平裁判長は「被告が確定的な殺意を持っていたとは言えないものの、刃物を使うなど犯行の危険性は高く、生命を軽視する姿勢がうかがわれる」
と指摘しました。

そのうえで、「事件への発達障害の影響は間接的なものだ。犯行が社会や地域に与えた不安は大きく、同様の犯罪を防ぐため、
こうした行為が許されないことを刑罰をもって示す必要性がある」と述べ、懲役14年を言い渡しました。

言い渡しのあと裁判長は被告に対し「同様の発達障害がある人への偏見が広まらないか不安です。
発達障害があっても頑張って生きている人がほとんどだということをよく考えて罪を償ってください」と語りかけました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200120/amp/k10012252411000.html