https://gigazine.net/news/20210910-cryptocurrency-cruise-ship-satoshi/

エルワルトフスキ氏がRedditで明かした計画によると、サトシ号は太陽光発電で電力をまかなう環境に優しい暗号資産クルーズ船になる予定だったとのこと。また、安全上の理由から個室に電子レンジを置くことができないことや、体重が20ポンド(約9kg)を超えるペットは飼えないことなど、細かいルールが定められていました。
また、サトシ号の中では暗号資産のマイニングが行えるほか、さまざまなサービスも展開され、その取引にはビットコインやイーサリアム、ビットコインキャッシュなどさまざまな暗号資産が使えるようになることも決まっていました。

シーステディングの支持者であり、ビットコイン投資の利益で仕事を辞めて生活しているというルーク・パーカー氏はThe Guardianに対し、「サトシ号はこれまで聞いたことがある中で、最も現実的なシーステディングプロジェクトでした。
結局、船に揺られる生活に妻が反対したことなどからサトシ号の一室を購入することはできませんでしたが、購入ボタンを押すのを諦めるのは大変でした」と話しています。

航行中の燃料代だけで1日1万2千ドル(約130万円)もかかる中、サトシ号の保険を引き受ける保険会社が見つからないロムント氏らは、12月19日についにサトシ号をシーステディングにする計画が頓挫したことを発表。
すでにキャビンを買い付けていた顧客らには、メールで返金するとの通知が送られました。

その後、廃船されることになったサトシ号は、インドのスクラップヤードへ売却されることになりました。ところが、国境を越えた廃棄物の運搬を規定するバーゼル条約により、サトシ号は条約の加盟国であるパナマから非加盟国であるインドに移動できないことが発覚したため、廃船計画も頓挫することになります。

最終的に、イギリスのクルーズ船スタートアップであるAmbassador Cruise Lineに購入されたサトシ号は、Ambienceと改名され、再び豪華客船になることが決まりました。
2022年4月から運航する予定のAmbienceでは、カクテルやフルコースのディナーが振る舞われるほか、さまざまなショーが催される予定ですが、そこでの料金はビットコインでは支払えないそうです。