止めろ」

そして…最も気の重いサミーにも出向いた。

「うちは元々…豆腐屋でしてね…さぁ、遠慮なく。この熱い夏には冷奴は最適だ」
「…さて、我が社の社訓は信頼である。直樹くん、君はこれまで信頼を裏切り続けたね?」
「君は、自分の会社を育て、それを支えたファンすら欺いて裏切った。なれば我々を裏切るも必然」
「別に、うちの酒井を裏切ったことに驚きなど無かった。少なくとも以前の君はそう…何より目先の数字」
「さて、うちの自慢の豆腐は美味しかったかな?他に何か食べておきたいものがあるなら言いなさい」
「うちの社食は、自ら言うことでも無いが…半端ない。バーだってある。さて、如何かな?」

何か腑に落ちない吉田ではあるが、彼は社食でステーキを食らい、バーで酒を飲んだ。

「ちなみに、うちにはマッサージルームもある。よくうちのこ・く・お・う・が利用していた」
「どうだい?気になるのなら、お客様であることを私の方から伝えておくが…?」
「…ああ、時間が遅くなるかな?しかし、うちにはシャワーどころか温泉も宿発設備もある」
「スーツもクリーニングしておこう。明日、何の心配も無く出社できるように用意しておこうじゃないか」

吉田は後悔した。

「こんな自分ですら温かく迎えてくれる会社に…何てことを。明日、起きたら人生で2回目の土下座だな」
「今度は、靴も指輪も外して…ありがとう、原田さん!僕は明日から、全ての人類が誇れる人間に…Zzz…」

ーそして最後の朝が訪れるー

「…起きろ、吉田」

ん、この声は原田…だろうか。

「全システム、チェック完了。問題ありません」

…ん、何か発言して…

「ああ、内容は気にしなくて良いよ。でもこれは全ての男の子の夢だと思う」

この声は、酒井!?ああ、彼にも謝らなくては…あの酒井s

「喋るんじゃねぇ、これから出社だ。舌を噛むぞ」

あ、里見s…あれ、僕は何故拘束され…

「違う。シートベルトだ。安全な為にジャラジャラと靴は脱がせてもらった。重いな、何だこれ?」

あの、里見さん、僕は改めてあなたに…

「間もなく出社だ。口を閉じて踏ん張れ。相当なGだぞ?言いたいことあるなら、それ、あとで聞こう」

「カウントダウン開始します…10…9…8…7…6…」

あの、まさかこれって…

「5…4….3…2…1…エンジン点火!」

お前らふざけんなよ!マジで!w

「嬉しそうだね。これは、これからはスクエニとも手を取り合える僕らの嬉しさが生んだご褒美なんだ」
「君の名前だけが宇宙にあるのでは、それもまた虚勢。だから、この旅行で最後の虚勢を払って来てよ」