フィックスドエッジのスピーカーは
Qが高いので低音が伸びないという以外に
エッジの共振で2kHz前後で大きなディップができる弱点がある。

一方で、メカニカルなバネによる復元力をもつため
中低域の反応がタイトで、リズムを高域までキッチリ揃えることができる。

例えば、Jensenの12インチは以下のようなステップ応答をもつ
ttp://quwa.fc2web.com/wps_clip_image-19223.png
立ち上がりから0.7msで波形が収まる。
一般的な3wayに比べ、立ち上がりと減衰が非常にシャープだ。
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最後のウーハーのクロスオーバーは350Hzで
最初のツイーターの反応から1.5ms以上遅れて
さらにバスレフの共振が山を累加してくる。

こうしたツイーターにぶら下がる特性をもって
オーディオ的にデフォルメされたリアリティとして喜ばれる。

12インチの古レンジは、ホーンやドラムの生楽器と
ボーカルやギターが対決するための拡声装置だった。
出音が遅れるとマスキングされる。
そういう戦闘性の高い音響装置の名残がある。