>>583
ソシュールが構造主義として受け止められたのは、その言語観が、歴史的な経緯からではなく、同時代としては先験的に人間に備わるとする思考による。
歴史を輪切りにして、それぞれの時代の共通基盤(としての言語の先験性)を設定したところが、構造主義と呼ばれる所以だ。
ドゥルーズのリゾーム概念が、構造主義のわかりやすい説明だ。

ハイデガーの存在概念は、さらにそれを時代を超えて、世界の本質として、「存在」なるものを設定する。
設定する意味が不明だともいえるが、「神」を設定したかっただけだだともいえる。

メルロ=ポンティは、現実の構造=人間と対象(環境)との関係に目を向けた。
その結果として心理学に向かった。
生活の糧を得るためだけで、心理学に進んだわけではないだろう。
『見えるもの見えないもの』は、言葉の問題にむかったといえるとは思えないが。