葦原色許男命が、「吾独して何にかよくこの国を得作らむ」と途方にくれて
いると、「この時に海を光(てら)して依り来る神があき」とされるが、この
神はその名が明示されることさえない。その神は、自分を祭ったなら、
一緒に国を成すことができるが、そうでなければ国は成り難いだろうと
葦原色許男命に告げて、自分の「倭の青垣の東の山の上に」祭らせる。
ここで名が示されることはないが、その神は、大物主(おおものぬし)大神
であると一般に理解されている。