以下は古事記の「大山守の反逆」からの引用である。

>ここにその兄王、兵士を隠し伏せ、衣の中に鎧を服て、河の辺に到りて船に
>乗らむとする時に、その厳(ヨソヒ)餝(カザ)れる処を望(みさ)けて、
>弟王その呉床に坐すと以為ひ、

反逆を企てた兄が、弟の命を狙って様子を窺っている場面の描写であるが、
ここに「望(みさ)けて」という表現が出てくる。確かにこの場合も「望」
という「遠くを見やる」ことを意図する漢字が当てられているが、奇妙な
矛盾を感じないだろうか。兄は今まさに川岸から船に乗り込もうとして
いるのであり、弟王に扮した相手は、船上に座っているのであり、よほど
巨大な船を想定するのでなければ、「遠くを見やる」ようなことにはならない
はずである。この場面では、「みさけて」は、当てられている漢字にも
かかわらず、様子を「窺っている」、つまり、「垣間見ている」のではない
だろうか。

http://dictionary.goo.ne.jp/jn/18017/meaning/m0u/
うかが・う〔うかがふ〕【×窺う】 の意味
1 すきまなどから、ひそかにのぞいて見る。「鍵穴から中を―・う」
2 ひそかにようすを探り調べる。「顔色を―・う」「ライバル会社の
動きを―・う」