中沢新一×石倉敏明 「野生の科学、あるいは新構造主義の時代」 の自然/文化
『現代思想 2014年1月号 特集=現代思想の転回2014:ポスト・ポスト構造主義へ』

・ニュートンの色彩論
自然過程と記号過程を分離。

・ゲーテの色彩論
人間の脳内過程と外界の自然過程を一つの連続として捉える。

・レヴィ=ストロース
神話は植物が「変態」するように自己変形を行う。人間の精神活動は自然過程そのものから生み出される。
構造とは自然界と人間精神の両方に内在する原理。

・ラカン
無意識の過程が生命的な自然過程に繋がっており、それが反自然的な象徴過程と分離せずに、一つの連続した多様体をなす。

・ヘーゲル『エンチクロペディー』
自然過程と人間の象徴過程を一連のプロセスとして捉えながらそこに弁証法を入れていく。

・中沢『対称性人類学』
脳内過程と自然過程の交渉によってそのつど無数の「新しい自然」が生まれる。

・吉本隆明
記号過程を記号として分離することを批判。
胎児や無意識の中で起こる前言語的な記号活動と、人間の意識的な言語活動との繋がりを持った多様体を構想。

・ガタリ『分裂分析的地図作成法』
フラクタルやカオス理論を開放系にして自然過程に結び付ける。

・自然と科学
現実の世界はすべてが非対称的で複雑な構造を持つ。
自然科学は、自然現象を単純で原始的な状態、対称性を持つ状態に引き戻す。