プラグマティズムのチャールズ・サンダース・パースは、論理和の否定のベン図を、
非対称に見てゲートとみなして、パースの公準をうちたてる。
AとXの論理和の否定は、X=0のとき出力はAの反対であり、X=1のときAを遮断する。
即ちXが遮断信号である、スイッチングをする回路とみなせる。
ここから計算機のランダム・アクセス・メモリーRAMが構成される。
全ての論理は、この論理和の否定だけで構成できることを証明したのが、
パースの公準である。
そして存在論のクワインは、AND・OR・NOT系の論理の最小化を自動化する
アルゴリズムを開発した。こうして計算機に論理が実装される。
さらにミーリーにより、順序回路も実装されて、計算機の回路設計が完成する。
この哲学的転回に物理学は触発されて、半導体の発明、フリップフロップの発明、
集積回路の発明へと進んで、回路設計が実装され、情報化の現代を開いた。
そして碩学ノーバート・ウイナーのサイバネティックスにより、自動制御の現代が
開かれた。虎が馬との距離を保ち、追い続けて仕留める様を、負帰還回路で構成する
ことにより、動的な間隔を保持する事が実装され、
シーケンシャル制御を越えたのである。
さらに詳細にロボットアームの振動を消す為に、カルマンがフィルターを構成する。
川の流れに棒を立てると左右に振れるが、その下流にできる左右の渦列が原因で、
それらに引っ張られて振動する事から、その渦列と逆の力を加えて振動を消す事に
成功し、現代のロボットの時代を開いたのである。
ベル研究所などを中心とした現代のアメリカの発展は著しい。
もう一つ大切な流れは、ロックフェラー大学の医学大学院に於ける多数の
ノーベル医学賞である。もともと負傷兵の医療を中心に発達したとも言われている。
工学と医学が共に軍事を向けば、ステルスAIドローンや遺伝子別生物兵器もあろう。