【点 (数学)】
 
数学における点(てん、英: point)の概念は、今日では非常に広範な意味を持つものとして扱われる。
歴史的には、「点」というものは、古代ギリシアの幾何学者が想定したように、直線・平面・空間を形作る根元的な「構成要素」、
「原子」となるべきものであり、直線、平面、空間は点からなる集合(点集合)ということになる。
「数(実数)」は実数直線上の点であるという言い回しを用いることができる。
つまり数学者にとって最も一般の意味での「点」とは、集合が「空間」と捉えられかつ公理によって規定される特定の性質を
備えているという状況さえあれば十分で、そのような「空間」の任意の元がすなわち「点」なのである。したがって、今日における
術語「空間」は全体集合に、また術語「点」は元に、ほぼ同義である。
考えている問題がもはや幾何学とは何の関係もないような場合でさえ、何らかの示唆的な期待によって「点」や「空間」という語が
用いられている。