内田樹氏インタビュー

民主党政権のことを人はずいぶんあしざまに罵りますけれど、僕はその理由がさっぱり分からない。
民主党政権の時は僕や高橋源一郎さんのところにも、文科省が意見を聞きに来ていたんですからね。
鳩山総理とも一緒に食事をしたし、国会議員たちのセミナーにも何度も講師として呼ばれました。
僕個人としては、自分の意見が政権中枢に届くなんてことが生きている間に起こるなんて思ったこともなかったから、
「あら、いい時代になったなあ」と思っていましたよ。
なにしろ総理のスピーチライターを平田オリザさんがしていたくらいですからね。
あのまま日本はずいぶんいい方向に向かうと思っていたんですけど…。
普天間基地問題であっという間に風向きが変わってしまった。あれは外務省の陰謀なんです。

・・・鳩山政権を倒すというのは、「対米従属」クラスターにとっては必須の政治課題だったのです。
だから、どんな汚い手を使っても引きずりおろす気でいた。
でも、あの政権交代の影響は大きかったと思います。
その後の第二次安倍政権で、日本の全システムは一気に劣化しましたから。