チェスは考案者が意図することを超えて多くの戦略を生んでいる
それはある意味で、チェスの面白さはルールを取り決めた時点で自ずから浮かんだように見える。

ルールがあるからゲームの可能性がある
仮にルールがなければ、そこには何の可能性も存在しない
チェスの盤がより広ければ、あるいは、駒がより多くの方向に動ければ、ゲームが面白くなる
かというとそうではない。盤面または駒の動きが限られているから、戦略が生じる
条件と可能性は相補しているだろう、この関係があることを、自由であると呼ぶことが出来る

言語があるから思考があるのでも、思考があるから言語があるのでもなく、
相補する関係の中にあることそのものが思考の可能性の顕れなのだ