【岩波】新書や選書で哲学するスレッド【中公】
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哲学する際には長い年月を経ても朽ちることのなかった古典に当たらねばならず、
しかもその原典を当たらねばなりません。外国語ができないにしても、
せめてその邦訳としての文庫本やハードカバーの本を苦心して読まなければなりません。
でも、そういう活動は難しいので、
それの補助としての概説書や時には水準の高い研究書が必要になって来ます。
その時、手に入りやすい、新書や選書の類が役に立ちます。
ここではクセジュ文庫(白水社)、レグルス文庫(第三文明社)、アテネ文庫(弘文堂)
のような文庫と名がつく実質新書的なレーベルも含みます。 >>76
欧州でも成功した有名フットボール・クラブの監督にサッカーの戦術の哲学
のようなものを期待して、講演依頼がかなり数多く行われてきたようだが、
講演そのものはどれもつまらないものばかりだったらしい。監督は
エンターテイナーではないし、関心があるのはチームが試合で勝つように
することだけだからね。 >>84
話し言葉ですらつまらないんだから書き言葉にするともっとアレな可能性はあるね。
ただ、日本サッカーは哲学がないみたいなことを
欧州出身の(オシムだったっけ?)監督に言われていた気がする。
何かあるんだろうけど言えないこと、戦術が多そうなのは確か。
俺はパラグアイとウルグアイの違いに見る
地理的条件経済条件とチームの戦い方の関係性とか気になるな。 佐山和夫が引き出すという形で何とか出版にこぎつけていたようだな。
野球道-ちくま新書-桑田-真澄/dp/4480066152 wikipediaで充実しているのは「三木清」。
また、資料として重要な学生新聞を自大の学術情報レポジトリに入れているのは、
京都大学新聞を入れている京都大学図書館ぐらいだな。 >>82
ありがとう、実はちょうどそれ買ったところなんだ。古本だけど600円くらいだったから安さにつられて。
ただ、まだ読んでないけどモナドに関してはそれほど掘り下げはされてないらしいとか。 酒井潔のライプニッツ本 >>82 の欠点はスピノザとの関係が弱い。差別化が早すぎる。
ドゥルーズによれば並行論なる命名はライプニッツが初めて行ったもので、
スピノザ自身の用語ではない。
(ドゥルーズ『スピノザ 表現の問題』邦訳単行本103,390頁参照)
そしてライプニッツの並行論は悪口ではない。ライプニッツも自身を並行論者と考えていた
からだ。
《…私は、魂に起きることと物質に起きることとの間の完全な並行説を確立した*。》
唯一の普遍的精神の説についての考察
邦訳著作集8巻127頁
ただし邦訳脚注はスピノザとの類似に否定的だ。
《*-この「並行説」(parallelisme)」は、 言うまでもなく予定調和のことであり、
問題の説明として教科書風に持ち出されるスピノザの説とは違う。》
ライプニッツ自身はスピノザには個体による実体の分有を説明出来ないと考えており、ここでモナドが意味を持つ。
《 しかしある人が、個別的魂などどこにもない、身体器官の助けを借りて感覚や思惟の働きを行使している今でも
同じことだ、と主張しようとするならば、その主張はわれわれの経験によって論駁されるであろう。思うに、経験が教え
るところによれば、われわれは人一人が、思惟し自覚し欲する何ものかであり、他のことを思惟し欲している他者から
は区別されているのである。そう考えないと、スピノザや他の同類の人々の考え方に陥ってしまう。》
とは言え、ライプニッツは別の場所でこんな図式を描いている。
瞬間Aにおける肉体の状態 | 瞬間Aにおける魂の状態
次の瞬間Bにおける肉体の状態(チクリ)| 瞬間Bにおける肉体の状態(痛み)
(邦訳著作集第八巻361~362頁)
これらは調和というよりスピノザ的な対応と言うべきだろう。 上野修のスピノザに関する著作は良さげだな。
上野修が関わっているスピノザ全集は今年の9月に出るようだ。 ゲーデルの不完全性定理はライプニッツの普遍計画が関係している。
ゲーデルは各命題を数値化する際に素数を使ったが素数を使うアイデアはライプニッツが先駆なのだ。
《われわれはその事物によって他の事物を表示するために素数を使用するのである。》
(『普遍的記号法の原理』Elementa Characteristicae universalis ,1679「計算の原理」1679、邦訳ライプニッツ著作集1、64~5頁より)
ゲーデル不完全性定理に関しては『はじめての現代数学』(瀬山士郎著、講談社現代
新書p161-163。早川文庫より復刊)が簡潔に説明しておりお勧めだが、残念ながら
ライプニッツについては言及していない。
ちなみにゲーデルは後年ライプニッツ研究に没頭して数学者エルデシュに怒られた。
(「君が学者になったのは皆が君の研究をするためであって、君がライプニッツの
研究をするためではない」)
素数のアイデアをゲーデルがライプニッツから受け継いだことを知らないと無理もない。 講談社のブルーバックスでゲーデルのことを書いてるのがないかな、
と以前俺は調べたことがあったが、あまり芳しい成果はなかった。 高橋昌一郎の講談社現代新書ではライプニッツに言及しているのかな。
章立てを見ただけだとしてなさそうに見えるが・・ 田中浩の『ホッブズ』買ってきたわ。
コンパクトで良さげ。 文庫や新書から外れるが、ゲーデルについては
青土社のゲーデルの世界がいいかもしれん。 選書なら、ノイマン・ゲーデル・チューリング
という本が高橋昌一郎著で筑摩選書から出ている。 田中浩のホッブズ論は恐らく、
藤原保信のホッブズを克服すべしという政治哲学を意識したものだろう。
ちなみに、藤原保信には岩波新書で『自由主義の再検討』という著書がある。 ものすごいどうでもいいけど、
慎改康之のミシェル・フーコーは去年の青学の国語で出題されていたみたいだな。 >>96
ゲーデルの業績はきちんとした数理論理学者の本での解説を読んだほうが良い。
広瀬、横田「ゲーデルの世界」は海鳴社。
文庫本なら岩波文庫のゲーデル「不完全性定理」の解説。 どうもありがとう。
それにしても、なんでゲーデルって倫理や数学の時間に教えられないんだろう。
難しすぎるからか? デリダ関係の本とか読んでると必ず不完全性定理の話出てくるから
入門くらい読んでみたいけど、数式並べられたら100%お手上げなのでなかなか踏み込めない 大丈夫だ
デリダ自身、ちゃんと分かってるわけじゃないから うーむ。ドゥルーズのいう「微分」さえよくわからんのだよな。
学生時代数学サボってたツケがこんなところで回ってくるとは… デリダと言えばフッサール、フッサールの新書と言えば谷徹。 今年の立命館大学の国語の第一問の出典。
『「認められたい」の正体 ― 承認不安の時代』 (講談社現代新書 2011年)
ヘーゲルやルソーに着目している箇所が問題にされていて、
上記の竹田青嗣=西研のヘーゲル「法の哲学」に関する本を、
卑近なものにした感じだった。ナイス出題だと思う。 >>101
中身を見ただけだが、なるほどこれは重厚だわ。 講談社現代新書って哲学関連で明らかに攻めてるよな。
講談社>>ちくま>>>>>>>岩波>>>>>中公
ぐらいの勢いの差がある。 本を読むことのひとつの効用として、他人の評価を基準にすることが
いかに無駄なことかはっきりと分かる、ということがある。 むしろ自分の場合は本で得た知識や知恵が涵養されることで
自分自身による自分固有(と思い込んでいた)の評価基準につねにすでに
他者による評価基準が分かちがたく組み込まれてることをひしひしと思い知らされた。 竹田青嗣の本を踏み台にしてヘーゲルの法の哲学に今年は挑戦するぞ。 高島善哉にもアダム・スミスの岩波新書があったんだな。
抜けてた。 今年の慶応の文学部の小論文は、
荒谷大輔『使える哲学 私たちを駆り立てる五つの欲望はどこから来たのか』講談社選書
メチエ、2021 年
から。
ロールズやハーバーマスに言及されているところから出題されていることからして、
やはり政治哲学という分野がすっかりメジャーになったということが言えるかもしれない。 今年の慶應商の小論文は、
前田健太郎『女性のいない民主主義』(岩波新書、2019年)
から。
こういう政治学的かつ人文的テーマを考えさせるのは昔からあるだろうけど、
男女差別から起こるような不祥事を未然に防ぐ効果があるかもしれない。
これもまあナイス出題と言えるだろう。 まあでも慶應は早稲田のような穴埋めや脱文補充じゃないから予め読んでいたらめちゃ有利になるかといったらそうでもない。 472名無しなのに合格2022/02/20(日) 18:19:58.60ID:vl193wBU
https://kangaeruhito.jp/article/122664
今年の早稲田大学文学部の現代文には、ロボット哲学と
去年小林秀雄賞を受賞した作品が出されたようだな。
いい出題だと思う。 入門書や解説書には倫理学的な指向が強いものがちょくちょくあるよね。現代の社会問題等に接続して
著者の思想まで交えてあれこれ論じてそこに結構なページ割いたりするの、あれやめてほしいわ。
哲学者の哲学を「どう使うか」は原著をあたって、それを涵養した上で自分で考えるから
ご自分の思想の開陳は自身の思想書なりエッセイで思う存分やってくださいっていつも思う。 諸先輩方に依拠しつつも自力で哲学書を書いている人としては木岡伸夫が挙げられるが
新書はないな。 まあでも、無思想で哲学者を料理するのは不可能だろうな。
絶対に著者の思想は行間に現れる。 廣松渉が講談社現代新書から出した『哲学入門』とか、
そのうち講談社学術文庫に入れられるんじゃないかな。 哲学入門一歩手前か
新書でもまだあるようなので、
文庫入りはないな。 哲学者のフランシス・ベーコンについては、
世界の名著と岩波文庫から著作が出ているが、
彼についての新書や選書は無いようだな。
清水書院の人と思想シリーズからの出版はあるようだ。 上以前このスレで問題になっていたスピノザとライプニッツの関係については、
フォイエルバッハの著作が良さげだが、図書館を利用したほうがいいだろうな。 講談社学術文庫やちくま学芸文庫や平凡社ライブラリーや岩波現代文庫は、
外国の著名な学者の翻訳もあれば、日本の研究者の本もあるが、
何が問題かといえば、
値段もさることながら、
出回っている冊数が少ないことだろう。
アマゾンだと新刊などない。
古本の状態が良ければいいなと、
こわごわ注文することになる。 Amazonで適当に検索してみると、
カール・レーヴィットの哲学史の本や、
ハイデガーの形而上学入門は在庫があった。
需要があるということなんだな。 バタイユ入門 (ちくま新書) を読んだがとてもわかりやすくていい本だった。
ニーチェ、ヘーゲル、マルクス、コジェーヴ等をからめて戦中~戦後のフランスの哲学の状況も知ることもできて興味深かった。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています